ウィリアムズは2026年F1第17戦アゼルバイジャンGPで、大規模アップグレードを施した「Bスペック」マシンを投入する予定だ。チーム代表ジェームズ・ボウルズは、このアップグレードは単なる性能向上ではなく、チームの開発体制そのものを証明する重要な試金石になると位置づけている。近年のウィリアムズは組織改革を進めており、シーズン中に大型アップグレードを設計・製造・投入できる体制を築けるかが、将来的なトップ争いへの重要なステップになるという。
ウィリアムズも大型アップグレードを準備最近は、ハンガリーGPで大規模アップグレードを投入予定のアストンマーティンに注目が集まっている。一方、その陰でウィリアムズも9月のアゼルバイジャンGPに向け、大幅な仕様変更を進めている。ただし両チームのアプローチには違いがある。アストンマーティンが一度に大きく性能を引き上げる戦略を採るのに対し、ウィリアムズはシーズン序盤から継続的に改良を重ねてきた。マイアミGPでは比較的大きなアップグレードを投入し、イギリスGPでは新型フロントウイングを導入。段階的な改良を積み重ねながら、バクーで最大の進化を目指している。サインツJr.「劇的な変化は期待していなかった」新型フロントウイングについて、カルロス・サインツJr.は導入前から大きな期待は抱いていなかった。「奇跡は期待していなかったし、ゲームチェンジャーになるとも思っていなかった」実際、イギリスGPスプリント予選ではサインツJr.が15番手、アレクサンダー・アルボンが16番手と大幅な順位向上にはつながらなかった。それでもモナコGP以来初めて両車がQ2へ進出し、チーム内ではハースを上回る戦力になったとの手応えを得ている。サインツJr.はアップグレードを次のように評価した。「正直に言えば、小さな前進だった。望んでいたほどではなかったけれど、新しいフロントウイングは機能していると思う」「ハースの前に出られるようになったことが成果だ。彼らの後ろから前へ行けたのだから、小さいながらも価値のあるアップグレードだったと思う」しかし現状への危機感も隠さなかった。「残念ながら、トップ10まではまだかなり遠い。今週末はレーシングブルズとアウディが約0.5秒速い。それは僕たちにとって大きすぎる差だけど、現実を受け入れて努力を続けるしかない」アルボン「本当の勝負はバクー」アレクサンダー・アルボンも、本格的な戦闘力向上はバクーまで待つ必要があると認めている。「純粋な速さという意味では、バクーまで待たなければならない」一方で、今季は信頼性トラブルが多発していることから、中団グループに食らいついていればポイント獲得のチャンスは十分あると見ている。「カルロスにも前戦で起きたけれど、今年は全体的に信頼性がかなり低い。だから中団争いに加わっていればポイント獲得のチャンスはある」「バクーまで待機モードというわけではないけれど、ポイントを獲るには他チームのトラブルも多少期待している」ボウルズ「Bスペックは新車に近い」チーム代表ジェームズ・ボウルズは、アゼルバイジャンGPで投入するパッケージを「Bスペックカー」と表現した。「分かりやすく言えばBスペックカーだ。新しいシャシーと、それに伴う多くの新パーツを投入する。非常に大きなアップグレードになる」ただし、それだけに依存しているわけではないと説明する。「鈴鹿からマイアミまでにもかなり大きなアップグレードを投入した。今週末も十分大きな改良を入れている」「さらに軽量化も進めていて、性能面ではかなり大きな効果がある。だからアストンマーティンのように一度のアップグレードだけに賭けているわけではない」そして現在の戦闘力については、イギリスGPである程度評価できるとの見方を示した。「今週末の走りを見てもらえれば、現状のマシン性能はある程度分かるはずだ。その上で今後を評価していきたい」Bスペックは組織改革の成果を示す試金石ボウルズは、バクーでの大型アップグレードはラップタイム以上の意味を持つと強調する。現在進めている組織改革によって、シーズン中でも高品質な大型アップグレードを設計・製造・投入できる体制を築けたかどうかを証明する機会だからだ。「私たちは企業として、シーズン中でも適切な品質で設計し、適切な品質でマシンを製造できることを自分たちに証明しなければならない」「例えるなら、飛行機を飛ばしながら同時に作り直しているようなものだ」「3年前の私たちとは違う組織になったこと、その能力を備えたことを証明する必要がある。そして現時点では、その目標に向けて順調に進んでいる」今回の「Bスペック」は単なる空力アップデートではない。ボウルズが進めてきた組織改革の成果を示す実証実験でもあり、その成否は2027年以降の競争力を占う重要な指標となりそうだ。
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