ウィリアムズは、2026年F1第11戦イギリスGPを前に、チーフ・トラックサイド・エンジニアのポール・ウィリアムズがシルバーストン・サーキットの技術的な特徴とレースのポイントを解説した。2026年の新レギュレーションにより、シルバーストンではエネルギー管理やタイヤマネジメントの重要性がこれまで以上に高まっている。高速コーナーが連続するレイアウトに加え、変わりやすい天候や高いセーフティカー発生率も重なり、マシン性能だけでなく戦略面が勝敗を左右する週末になりそうだ。
高速コーナーと変わりやすい天候が難しさを生むポール・ウィリアムズは、シルバーストンの特徴について、高速コーナーと低速コーナーが独特に組み合わされていることを挙げた。「高速コーナーの多くは右コーナーですが、低速コーナーは左右が入り混じっています」特にターン10から14にかけては、連続する高速方向転換に対応するため、乗り心地の良さと俊敏なハンドリング性能を高いレベルで両立させる必要があるという。また、シルバーストン特有の天候も大きな要素だ。「平坦で開けたレイアウトのため、グランドスタンドの影響によって場所ごとに路面状況が異なります。コースの片側だけが濡れ、反対側は完全にドライという状況も珍しくありません」2026年はエネルギー管理が重要なテーマ2026年レギュレーションの下では、シルバーストンはエネルギーマネジメントが非常に重要なサーキットになるという。「ターン1やターン9のような高速コーナーでは、グリップレベルによって最適なエネルギー運用が大きく変わります」さらにFIAは、高速区間で発生する大量の「スーパークリップ」を抑えるため、このサーキットではエネルギー回生量の上限を引き下げた。これにより使用可能なエネルギーが減少し、1周を通したエネルギー配分の重要性はさらに増すことになる。また、2026年は4か所にストレートラインモード区間が設定されるが、第3ゾーンとなるターン8(ウッドコート)はウエットコンディションでは無効となる。最も硬いタイヤで摩耗と熱を抑えるタイヤについては、2026年はピレリが最も硬いC1、C2、C3コンパウンドを選択した。これは昨年より1段階硬い組み合わせとなる。シルバーストンは横方向の荷重が非常に大きく、特に左側タイヤへの負荷が集中する一方、コーナーの合間に長いストレートがあるため、タイヤ表面温度を下げやすい特徴も持つ。「路面の粗さも比較的穏やかなため、週末を通して高いグリップが維持されるでしょう」予選ではタイヤのウォームアップは比較的容易とみられる一方、決勝ではフロント左タイヤの摩耗とリアタイヤのオーバーヒートが課題になる。ただし、より硬いコンパウンドの採用によって、その影響はある程度抑えられる見込みだ。決勝は1ストップが有力レース戦略についてポール・ウィリアムズは、セーフティカーやバーチャル・セーフティカーが入らなければ、1ストップ戦略が本命になると予想する。「ソフトタイヤを含め、すべてのコンパウンドでレースを戦うことが可能で、複数の1ストップ戦略が成立します」そのため、スプリントでのタイヤ使用を多少犠牲にしてでも、決勝用タイヤを温存するチームが現れる可能性もあるという。一方で、シルバーストンは今季4番目に高い約80%のセーフティカー発生確率が予想されており、ロングスティントを選択するドライバーや、順位を落としてでも追加ピットストップを選ぶチームが現れる可能性もある。例年は天候がレース展開を左右することも多いシルバーストンだが、現時点の予報ではドライかつ晴天での開催が見込まれている。【関連】・2026年F1イギリスGP テレビ放送時間・配信日程(フジテレビNEXT・FOD)