ウィリアムズのアダム・パーは、カスタマーマシンを容認するよりも、F1チームがそれぞれ3台のマシンを出走させるべきだと述べた。ホンダのF1撤退と、さらなるマニュファクチャラーが撤退する可能性により、来シーズンのグリッドに並ぶマシン数について懸念が高まっている。2008年は11チームでスタートしたが、5月にスーパーアグリ、12月にはホンダが撤退し、さらに1チームが去ればF1に参戦するマシンは16台になる。
ウィリアムズは、パドックで自動車メーカーや億万長者の後ろ盾のない唯一のチームである。ここ2年で、8800万ドルの損失を出しており、さらにはスポンサーであるペトロブラスとレノボが他のチームへ乗り換えることが明らかになっている。ホンダのF1撤退により、F1界ではコスト削減の動きが加速しているが、ウィリアムズはカスタマーマシンに関しての反対姿勢は崩していない。「チームがグリッドにマシンを3台並べることもできれば、8チームが3台出走させれば24台になり今年より多くなる。7チームになったとしても21台だ」とアダム・パーは語る。「7、8チームのコンストラクターズと3、4のカスタマーチームよりも、7、8チームのコンストラクターズだけの方がずっとよいと思う」「ウィリアムズは、カスタマーチームに邪魔されるよりも、対等にコンストラクターズと戦ってチャンスを得たい」トロ・ロッソと今はなきスーパーアグリは、実質的にカスタマーチームであり、トロ・ロッソは親会社のレッドブルが、彼らとレッドブル・レーシングのために設計したマシンを使用している。5月に撤退したスーパーアグリは、コンストラクターとして独自にマシンを設計・製造せず、ホンダの2007年マシンの改良バージョンを使用していた。F1のレギュレーションでは、マシンの数が規定数を下回った場合、各チームはマシンを3台出走させることができる。しかし、これは一部の独立チームには大きな経済的圧力となるだろう。パーは、現在トップ4を占めるフェラーリとマクラーレンが、トップ6を占めるようになるのはF1にとってよくないという意見に反論した。マクラーレンは先月、フォース・インディアとエンジンとギアボックス、その他の技術協力を提供する契約を結んでおり、フェラーリはトロ・ロッソにエンジンを供給している。「完全なカスタマーチームについて言えば、4台のマクラーレンあるいは4台のフェラーリが存在することになる。これはF1にとってよいことだろうか?」