ヴァージンは、来年CFD施設を拡張。F1の新しいベンチマークになると自信をみせている。ヴァージン・レーシングはマルシャへの株式売却を決定し、2011年からマルシャ・ヴァージン・レーシングとしてグリッドに並ぶことを発表。ヴァージンのテクニカルディレクターを務めるニック・ワースは、F1では最大で世界でも3番目の処理能力を誇るCFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)施設の拡張計画を明らかにした。
「我々は巨大なインストールを行っている」とニック・ワースはコメント。「我々のCFDパートナーは、新しいインストールが世界で3番目に大きいと言っている。我々にとって非常にエキサイティングなことだ」7万平方フィートをカバーし、1日あたり3.3テラバイトの情報をチームに提供するバンブリーの新しい施設は、1月に完成する予定となっている。そのため2011年マシンの設計にはあまり影響を与えることはないが、ニック・ワースはそのデータが新車の最初のアップデートパッケージに役立つと考えている。「現時点でも我々が今年使用している似たようなリソースより効率的であるが、新しいインストールがヨーロッパでの最初のアップデートキットに有効にあると期待している」風洞ではなく、CFDのみでマシンを開発しているヴァージンに対してピットレーンでは批判も多いが、ニック・ワースはそれが正しい方法であると確信している。「肝心なのは、我々はそれについて学んでいるところだということだ。我々はマシンにアップデートを施し、速くすることができた。物語は終わりだ。我々には資金がなかったし、信頼性に多くの時間を費やしてしまったので十分ではなかったのだと思う」「そういうわけでマルシャの財政的な安定化は非常に重要だ。今年は財政的に本当に戦いだった。私的には支払いがあることがわかっているので仕事に取り掛かることができる。とてもエキサイティングだ」ヴァージンの新車は2月のプレシーズンテスト後半で初めて走行を行う予定だが、チームは最初のテストで2010年マシンを走らせるかどうかはまだ決定していない。「タイヤデータを収集したいという気持ちはあるが、一方で我々は傘とレインコートを着てそこにいる可能性がある」「おそらく我々は新車を造ることに集中するだろう」ヴァージンは、来年Xtracを内蔵するギアボックスケースを独自に造り続けているが、カスタマートランスミッションの供給について他チームとも交渉している。またニック・ワースは、ヴァージンが来年KERSを走らせないことを明らかにした。「KERSを持ち込むつもりはないし、多くの人がKERS搭載に慌てふためいているのをしている。実際、彼らのクルマはオーバーウェイトでスタートすることにあると思う」「ラップタイム面で、大部分の人がKERSについて話しているのはコンマ2〜3秒だと思う。我々は2〜3秒を追い求めている」