セバスチャン・ベッテルは、ヘルムート・マルコが自らの後任として望む人物に挙げたことを受け、レッドブルF1復帰の可能性を否定していない。しかしベッテルは、もし本格的な話し合いに発展させたいのであれば、レッドブルがその役割の内容を明確にすることが重要だとし、自身の決断は「その提案に大きく依存する」と明言した。
レッドブルのシニアアドバイザー兼ドライバープログラム責任者であるマルコは現在82歳で、2024年1月にレッドブルGmbHと新たに3年契約を結んだばかりだ。それでも引退の時が来れば、マルコはベッテルを「理想的」な後任と見なしている。ベッテルはレッドブルのドライバーとして2010年から2013年まで4年連続でF1世界チャンピオンに輝くという大成功を収めた。フェラーリとアストンマーティンでの活動を経て2022年末に現役を引退したが、マルコの希望次第では最終的にレッドブルに復帰する可能性もある。それはベッテルが可能性を残している選択肢だが、現実的な議論とするためには、まずレッドブルが役割の具体的な定義を行う必要があるとし、それが自身の決断において極めて重要になると語った。「僕はヘルムートのことをとてもよく知っているし、今も連絡を取り合っている」とベッテルは独『Auto Motor und Sport』に語った。「もしこれが本当に具体的になったら、まず僕は自分がどんな仕事に直面するのかを把握しなければならない。決断はその点に大きく依存する。僕の経験やプロフィールからして、確かにある程度の能力は持っている」マルコの役割の重要な任務のひとつは、若手ドライバーの発掘と育成だ。ベッテル、マックス・フェルスタッペン、ダニエル・リカルド、カルロス・サインツらが、彼の監督下でF1に昇格してきた。ベッテルは、ドライバーとメンターの関係がどのようであるべきか、明確な考えを持っている。そうしたポジションは将来的に自身の進路になるかもしれない。現役時代のベッテルは、元ハースF1ドライバーのミック・シューマッハを指導した経験もある。「若い才能にとって、助けてくれる存在がいることは非常に価値がある場合がある」とベッテル。「それはブレーキポイントやターンイン、縁石の乗り方を教える意味ではない。そんなことは本人が自分でできなければならない。精神的な部分でのアドバイスの方が重要だ。F1のトップにいる4人のドライバーは全員ワールドチャンピオンになれる可能性があるが、最終的にチャンピオンになるのは1人だけで、それには理由がある」さらにベッテルはこう続けた。「人を変えることはできない。その人の長所を伸ばし、短所を改善することしかできない。ドライバーを次のルイス・ハミルトンやミハエル・シューマッハにしようとしても、それはうまくいかない。ある人物から何かを取り除き、別の性格を付け足すような助言をするのではなく、その人自身を理解することが重要だ」同じ4度のワールドチャンピオンであるフェルスタッペンも、ベッテルのレッドブル復帰に門戸を開いている。「つまり、レッドブルと共にこれだけの実績を残し、レッドブルに育てられた人なら、ある意味、常に居場所があるのは当然だよね?」とフェルスタッペンは語った。「セブはチームを離れた後も、ヘルムートと常に良い関係を保っていたのは知っていたけど、そこまでとは知らなかった。もちろん彼らは話をしていたけれど、どんな形であれ、セブには常に居場所があると思う」
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