セバスチャン・ベッテル F1ブラジルGP訪問「環境とファンをつなぐ新たな挑戦」

彼はインテルラゴス・サーキットでの滞在中、各チームのガレージでリサイクル分別を手伝うなど、現場での実践的な活動を通じて環境意識の向上を訴えた。
ベッテルはブラジル国内のリサイクル率が約4%と低い現状を指摘し、モータースポーツの現場からサステナビリティを広める必要性を強調した。
「Forest – Drawn Together」:環境とファンを結ぶアートプロジェクト
今回のブラジルGPでは、ベッテルが新たに立ち上げた環境・ファン共同プロジェクト「Forest – Drawn Together(フォレスト・ドローン・トゥギャザー)」が注目を集めた。この取り組みは、ファンとドライバーが「自分にとっての森」をテーマに木の絵を描き、それらを大きな象徴的コラージュとしてファンゾーンに展示するというもの。使用される素材にはリサイクル資源が活用され、アマゾン熱帯雨林の保護をはじめとした環境意識の啓発を目的としている。
角田裕毅やマックス・フェルスタッペン、ピエール・ガスリー、フランコ・コラピント、バルテリ・ボッタスら現役ドライバーたちもこのプロジェクトに参加し、ファンと共に作品を作り上げた。ドライバーと観客が同じ目線で交流する姿は印象的で、多くのファンにとって忘れがたい体験となった。

ファンイベントと温かい歓迎、変わらぬ人気
11月8日にはファンイベントも開催され、ベッテルはステージ上で再びファンの前に立った。フェラーリ時代に共に戦ったシャルル・ルクレールやルイス・ハミルトンの名を挙げながら語る姿に、観客席からは大きな歓声が上がった。SNS上では「再びF1に戻ってきたベッテルが見られて嬉しい」「彼の活動は本当に意味がある」といった投稿が相次ぎ、その人気の根強さを改めて示した。
一部では「紙を使うアート活動が環境負荷になるのでは」との指摘もあったが、多くのファンやメディアは「環境意識を身近に感じさせる創造的な試み」としてこのプロジェクトを高く評価した。
ベッテルが示した“次のステージ”のF1像
セバスチャン・ベッテルの今回の訪問は、単なるノスタルジーではなく、F1が社会的責任を果たす未来像を提示するものだった。彼のリサイクル活動と「Forest – Drawn Together」プロジェクトは、モータースポーツが地球環境とどのように共存できるかを問いかける新しい試みであり、引退後も彼がF1コミュニティに与える影響力の大きさを改めて示した。
ベッテルは、かつてレースで築いた栄光を「環境のための挑戦」へと変え、ファンとともに新たな形でF1の未来を描いている。
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