マックス・フェルスタッペンの将来をめぐる憶測について、元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、レッドブルを離れる可能性は低いとの見方を示した。フェルスタッペンは先週末、ニュルブルクリンク24時間レースに出場。クルサードは、その挑戦を許容するレッドブルの姿勢こそが、フェルスタッペンをチームにとどめる最大の理由だと語っている。
レッドブルだけが「マックスでいること」を許しているフェルスタッペンは2028年末までレッドブルとの契約を結んでいるが、2025年にはメルセデスとの接触説も浮上するなど、将来をめぐる憶測は絶えなかった。しかし、2005年から2008年までレッドブルで走ったクルサードは、現在のF1チームの中でフェルスタッペンにこれほど自由を与えられる存在はレッドブルだけだと考えている。「マックスはどこにも行かない。なぜなら、彼に“マックスでいること”を許すF1チームはほかにないからだ」とクルサードは『Up To Speed』ポッドキャストで語った。「マクラーレンにはできない。フェラーリにもできない。メルセデスにもできない。彼がメルセデスをドライブしていたとしてもだ。個々のドライバーに投じられる投資の大きさを考えれば、そうなる。しかしレッドブルはそれを許している」クルサードは、レッドブル創設者であるディートリッヒ・マテシッツの考え方にも触れた。「実際、公平に言えば、そしてレッドブル創設者であるミスター・マテシッツの精神に照らしても、それはまさにそういうことだった。チームと契約する前に初めて彼に会ったとき、私は『私に何を期待していますか?』と聞いた。すると彼は『自分自身でいてくれ』と言った。マックスは自分自身でいる」「だから、数週間前の憶測はここで切っていい。今の時点で、マックスはキャリアの残りをレッドブルで過ごす」ニュル挑戦が示したフェルスタッペンの特異性フェルスタッペンは先週末、ニュルブルクリンク24時間レースに出場し、チームメイトとともに一時は首位を走行した。しかし、マシンのドライブシャフトに問題が発生し、優勝争いから脱落した。クルサードは、F1以外のカテゴリーでもすぐに高い適応力を示すフェルスタッペンの能力を高く評価した。「スポーツではよくあることだが、ラケットとボールを使う競技を考えてみてほしい。スカッシュの世界王者なら、ヤニック・シナーとテニスをしてもある程度やれると思うかもしれない。でも実際にはそうはいかない。逆にシナーもスカッシュでは勝てない」「本当にトップに立つには、その分野のスペシャリストでなければならない。そこにマックスのような人物がいる。彼はどういうわけか……両利きだと言われても驚かない。4輪に関わることなら、何をやっても優れているように見える」「週末の遊び」ではないニュルブルクリンクの重みクルサードは、自身もニュルブルクリンクを走った経験を持つ。そのうえで、フェルスタッペンが同レースに挑んだことは、単なる趣味の延長ではないと強調した。「恐ろしいサーキットだ。私も走ったことがある。彼らのように競争力を持ち、先頭に立つためには、あのレベルで必要なコミットメントがある」「残念ながら、このポッドキャストでも数週間前に伝えたように、まさにあのサーキットで命を落としたドライバーがいた。それほど、あのサーキットの挑戦は厳しい」「だから、『マックスはドライブが大好きだから、週末に楽しんでいるだけだ』という見方をするべきではない。もしそうなら、現在のF1サーキットに非常によく似た、FIA公認のどのサーキットにでも行けばいい」「だが、あそこへ行くというのは、昔ながらのコミットメントだ。それこそが彼をほかのドライバーと分けている。ほかのドライバーも技術的には非常に優れたレーシングドライバーであることに疑いはない。ただ、今のF1グリッドで、ニュルブルクリンクに行ってレースをするという挑戦を受け入れるドライバーがほかにいるのか、私は疑問に思う」クルサードの見方では、フェルスタッペンにとってレッドブルは単に勝てるチームではなく、自分のスタイルを制限されずに保てる環境でもある。ニュルブルクリンク24時間への挑戦は、その関係性を改めて浮き彫りにした出来事だった。