バーレーンでの2026年F1プレシーズンテストを巡り、パワーユニットの圧縮比をめぐる議論が政治的な様相を帯びている。メルセデス陣営はレッドブル・フォードの電動エネルギー展開を「ベンチマーク」と評する一方で、自らのコンセプトが生むアドバンテージは「2〜3馬力」に過ぎないと主張している。
しかし、マックス・フェルスタッペンはその見解をあざ笑うかのように切り返した。「そこには間違いなくゼロを1つ付け足せる」メルセデスのアドバンテージが「2〜3馬力」と聞かされたフェルスタッペンは笑いながらそう語り、実際の差は20〜30馬力に達する可能性を示唆した。これは1周あたり約0.3秒に相当する計算になる。「彼らが何をしようとしているのかは理解している。水曜日に僕たちがたくさん走ったから、話題をそっちに移そうとしているんだ」この発言の背景には、圧縮比を巡る技術論争がある。報道によれば、複数メーカーとFIA、さらに商業権保有側がより厳格なチェックを支持しているとされ、メルセデスはメルボルン以降、新たな技術検査を求められる可能性も浮上している。フェルスタッペンは最終的な勢力図は開幕戦で明らかになると見る。「ひとつだけ言える。メルボルンまで待てばいい。彼らがどれだけパワーを持っているか分かるはずだ」「ストレートでどれだけ踏んでくるか、メルボルンで見ればいい」一方で、メルセデス代表トト・ヴォルフはテスト初日にレッドブルの電動エネルギー展開を高く評価していた。「今日のエネルギー展開を見てほしい。彼らはストレートで他よりはるかに多くのエネルギーを使えている」「単発では以前から見てきたが、今回は10周連続で同じようなストレート展開をしていた」「今日の時点では、ただしテスト初日という前提付きだが、彼らがベンチマークを設定したと言える」この評価はメルセデス製パワーユニットを搭載する複数のドライバーからも繰り返されたが、フェルスタッペンはこれを「煙幕」に過ぎないと見る。「ここ10年のウインターテストを振り返ればいい。1日目でワールドチャンピオンが分かることなんてない。特に今回のような新レギュレーションならなおさらだ」「僕にとっては、どちらかと言えば目くらましだ。でも構わない。僕たちは自分たちがやるべきことに集中する。このレギュレーションは本当に複雑だから、ただ周回を重ねていくだけだ」フェルスタッペンは初日の走行距離やデータ収集には満足しているとしつつも、完成度はまだ遠いと強調する。「スタートはとても良い。みんな満足している。昨日の周回数もそうだ。あれこそ僕たちがやりたかったことだ」「でもそれが勝利に十分かどうかは分からない。今の段階では誰にも分からない。ここで見えているものが、そのままメルボルンで見えるわけでもない」実際、バーレーンのスピードトラップではレッドブル・フォードが最速を記録し、フェルスタッペンは336km/hをマーク。マクラーレンやフェラーリより約10km/h速かったとされる。一部では計測ビーム前でアクセルを緩めていた可能性すら指摘されている。ライバル勢も警戒を強める。カルロス・サインツJr.は、新時代の「リフト・アンド・コースト」を前提とした繊細なバランスをレッドブルが最適化していると分析する。「コーナーにものすごいスピードで飛び込んで、出口で全部のパワーを使えばいいという話ではない。両方をまとめなければ速くなれない」「彼らはドライバーに妥協を強いていないように見える」ウィリアムズ代表ジェームス・ボウルズも印象を語った。「ホームストレートで一貫して0.6秒の差がある。ターン1に向かう段階でまったく近づけない。あのコーナーでのスピードは本当に印象的だ」「レッドブルは完全に新しいプログラムでエンジンを開発し、信頼性を確保しながらパフォーマンスも与えた。それをすべて達成した」それでもフェルスタッペンは楽観を避ける。「他のチームが僕たちを良く見せようとしているのは普通のことだ。僕たちは気にしない。自分たちに集中するだけだ」「確かにスタートには満足している。でも同時に、改善の余地はまだとてつもなく大きい。すべてがあまりにも複雑だからだ」
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