マックス・フェルスタッペンは、今後開催される3つのF1グランプリ――彼自身およびレッドブルF1にとって“ホームレース”と呼べるイベントに向けて、特別仕様のヘルメットを発表した。このヘルメットは「オレンジ・ライオン(Orange Lion)」と名付けられ、今週末のF1オーストリアGPで初めて着用される予定だ。さらに、7月に開催されるF1ベルギーGPとF1オランダGPでも再び使用される見通しとなっている。
フェルスタッペンの「オレンジ・ライオン」ヘルメットは、全体を通して落ち着いたダークブルーをベースに、ネオンオレンジの大胆なアクセントが施されたデザインとなっている。従来の赤・白・青の配色から一新され、特に側頭部から後頭部にかけては、ライオンのたてがみを思わせる炎状のパターンが印象的だ。この意匠は、“オレンジ・アーミー”と呼ばれる熱狂的なファン層と、オランダ王家を象徴するライオンを重ねたものであり、ヘルメットの名前の由来にもなっている。表面の質感はややマット寄りで、光の角度によって浮かび上がるオレンジの幾何学模様により立体感が強調されている。左右のサイドには、ライオンのシルエットをモチーフとしたグラフィックが薄くレイヤー状に配置されており、遠目にはシンプルながら、近くで見ると繊細なディテールが際立つ構造だ。レッドブルや他スポンサーのロゴはすべて白で統一されており、ダークブルーのベースとの対比によって高い視認性を確保。カーナンバー「1」も白抜きで後頭部に大きく配置され、オレンジのシャドウが縁取ることでさらに立体感を持たせている。さらに後頭部には「MV1」のロゴも加えられ、フェルスタッペンの個性が明確に反映されている。ヘルメット上部には流線型のオレンジラインが走り、空力的な流れを視覚化したかのようなスピード感のある印象を与えている。全体としてこのヘルメットは、視覚的にも象徴的にも、フェルスタッペンと彼の“3つのホームレース”にふさわしい特別仕様となっている。オランダGPが開催されるザントフォールトでは、フェルスタッペンは圧倒的な母国ファンの声援を受ける。一方、スパ・フランコルシャンで行われるベルギーGPも、母ソフィー・クンペンがベルギー出身であることから“準ホーム”として大きな支持を集めている。フェルスタッペンはSNS上でこの新デザインを「これまでと同じくらい特別なもの」と表現しており、今週末のオーストリアGPでは自身6度目の勝利を目指している。また、彼にとって今週末は、FIAからのペナルティポイント加算を回避すべき重要なレースでもある。というのも、昨年のオーストリアGPでランド・ノリスと接触した際に科された2ポイントが、この週末をもって失効する予定だからだ。この接触は2024年大会の最大のハイライトだった。終盤のターン3、ブレーキングゾーンで首位争いを繰り広げていたフェルスタッペンとノリスはホイール同士が接触し、両者ともにパンクを喫する結果となった。この混乱の中、ジョージ・ラッセルが前に出て、メルセデスに思わぬ勝利をもたらした。
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