F1エミリア・ロマーニャGP予選で、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは最終アタックで全力を尽くすも、わずか0.034秒届かず2番手に終わった。ミディアムタイヤで勝負に出たジョージ・ラッセルや、ポールポジションを獲得したオスカー・ピアストリが注目を集めるなか、フェルスタッペンは予選の難しさをタイヤのコンディションに集約して語った。
「今日は全体的に良かった。ソフトタイヤ(C6)を生かすのが本当に難しくて、特に1周の中でどうタイヤを保つかが課題だった」とフェルスタッペンは振り返る。「セクター1はすごく良かった。でもそこから先は、タイヤがどんどん垂れていった。もっと速く走ろうとすればするほどタイヤが過熱してしまい、逆にバランスが崩れてアンダーステアになった」Q3の2回目のランではセクター1で最速を記録したが、その後のグリップ低下が響いてタイムを伸ばせず、「ラップをまとめるのに必死だった」と語った。フェルスタッペンはまた、ラッセルが使用したミディアムタイヤにも言及した。「正直、自分もFP3ではミディアムのほうが感触が良かった。でも予選でそれを選ぶ余裕はなかった。今週のC6はこのサーキットに合っていないと感じていたし、グリップがあるうちにタイムを出すしかなかった」マシンの仕上がり自体には手応えを感じているようで、「昨日の段階では厳しかったが、今日はクルマの状態がかなり良くなった。バランスも改善されて走らせやすくなった」と語った。ただし、週末を通じた課題は依然としてタイヤへの依存にあるとし、「今回のようにソフトが軟らかすぎると、僕たちのマシンはタイヤのオーバーヒートに悩まされやすい。そこは引き続き取り組むべき課題だ」と警戒感を示した。決勝に向けては、「まずはいいスタートを切ること。それから新しいセッティングがレースペースにどう影響するかを見てみたい。昨日のロングランはあまり良くなかったけど、今日はクルマのフィーリングが変わっているので期待したい」と前を向く。C6タイヤの採用については、「こういった高速コーナーの多いレイアウトでは、さすがに限界を超えている。次の週末(モナコ)ではまた違った傾向が見えるかもしれない」とも語った。また、予選中に起きた角田裕毅の激しいクラッシュについては、「最初に無線で無事だと聞いたけど、リプレイを見て『本当に大丈夫?』と思った。衝撃は相当だったけど、何より無事でよかった」と気遣いを見せた。厳しいタイヤマネジメントに追われたフェルスタッペンだったが、確実に2番手を確保。レースでの巻き返しに向けて、土曜の仕事は着実に果たしたと言える。