レッドブル・レーシング・ホンダのマックス・フェルスタッペンが、2021年シーズン前半11戦を終て、これまでの戦いを振り返った。ハンガリーGPを終えたF1はシーズンを折り返してサマーブレイクに入った。そこで、マックス・フェルスタッペンに2021シーズン前半戦を振り返ってもらうことにした。
ハンガリーGPまでにマックスは11戦で5勝を挙げてドライバーズ選手権をリードしていた。しかし、このオランダ人ドライバーが手にしてきたのは勝利だけではなく、その過程でいくつかの新記録も手にしていた(これについては後述する)。ところが、直近2レースはマックスとチームが想定していた展開にはならなかった。そのため、このサマーブレイクは休息して集中し直すための2週間という位置づけになった。シルバーストンでの出来事は誰もが知るところだが、サマーブレイク直前のハンガリーGPでも、マックスはリタイア4台に繋がるターン1でのクラッシュに巻き込まれて追突されてしまった。幸運なことに、マックスは大きくダメージを受けたRB16Bをピットへ帰還させると、赤旗中断の合間にある程度の修復作業を受けることになった。そして、レースが再開すると、大きく損傷を受けたマシンにもかかわらずマックスは全力を振り絞り、10位でチェッカーフラッグを受けた(2位でフィニッシュしたセバスチャン・ベッテルがレース後に失格処分を受けたため、9位へ繰り上がり)。ハンガリーGPを終えた直後、マックスは次のようにコメントした。「これからサマーブレイクに入るけれど、僕たちはプッシュし続けるし、絶対に諦めない。自分たちのことだけに集中していく。とてもアンラッキーなレースが2戦続いたけれど、何も失っていないし、シーズンはまだ先が長い」2戦連続の不運はさておき、シーズン前半の11戦を終えてマックスはどのような感想を持っているのだろうか?「全体的には良いスタートが切れた。僕たちには高い競争力が備わっている。でも、シーズンの最後まで競争力を維持する必要がある。そのために僕たちはチームとして努力しているんだ。この状態を維持できることを祈ろう」バーレーンでのプレシーズンテストははるか昔に思える。マックスはここで初めて2021シーズン用マシンをドライブして好印象を得たが、開幕戦から高い競争力を発揮できるかどうかについては確信が持てていなかった。マックスはプレシーズンテストを振り返り、次のように語る。「ドライビングのインプレッションは良かったけれど、マシンの実力をいきなり判断するのはいつも難しい。でも、僕たちは最初から競争力が高かったし、見通しは明るかった」マックスはすでにいくつものF1記録を残しているが、フランスからオーストリア2連戦へ続いたトリプルヘッダーでさらに2つの新記録を打ち立てた。マックスはグランドスラム(ポールポジション+レース優勝+ファステストラップ+決勝全周回リード)を達成した史上最年少ドライバーとなると同時に、トリプルヘッダーを全勝した史上初のドライバーとなった。しかし、マックスはこのような偉業に少しも関心を持っていないようだ。「僕は記録にこだわらない。目標はチャンピオンを勝ち取ること。僕にとって重要なのはこれだけだ」とマックスは語ると、前半戦をポジティブに振り返った。「オーストリアの連勝はすごく良かったね。モナコの優勝も最高だったし、正直なところ今シーズンは良い思い出が沢山ある」今シーズンのマックスはレッドブル・レーシング時代4人目のチームメイトを迎えた。開幕戦バーレーンGPから隣のガレージにやってきたセルジオ・ペレスとの関係は非常に良好だ。「チェコは素晴らしいチームメイトだし、最初の数カ月で良好な関係を築けた。僕たちはとても上手くやっているし、彼は本当にクールで、レースだけではなくて、どんな話題でも楽しく会話ができるんだ。このような関係を築けるのは素晴らしいよ」今シーズンは、最近になって観客がグランドスタンドに戻ってきている。レッドブル・リンク、シルバーストン、ハンガロリンクではオレンジ色の大応援団がマックスに声援を送った。スパ・フランコルシャンで開催されるベルギーGPまで、マックスはまだいくらか休息できる。マックスにとってベルギーGPはシーズンを仕切り直す絶好の舞台になるはずだ。マックスは次のように締めくくっている。「個人的に、スパはレースカレンダーで一番好きなサーキットだし、あそこをドライブするのはいつだって楽しい。ベストリザルトが得られることを願っているけれど、まずはスパでのドライビングを楽しむつもりだ」