F1スチュワードのギャリー・コネリーは、2017年のF1アメリカGPでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)から表彰台を奪うことになった物議を醸した裁定が彼のキャリアのなかで“最も難しい決定のひとつ”だったと語る。2017年のF1アメリカGPで、マックス・フェルスタッペンは16番グリッドから挽回を見せ、レースウィナーのルイス・ハミルトン(メルセデス)、2位のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に次ぐ3位でフィニッシュラインを通過した。
残り5周で5番手だったマックス・フェルスタッペンは、バルテリ・ボッタス(メルセデス)を抜いて4番手に浮上すると、最終ラップでキミ・ライコネン(フェラーリ)を抜いて3番手となった。しかし、F1スチュワードは、マックス・フェルスタッペンがキミ・ライコネンに仕掛けた際にトラックリミットを超えてアドバンテージを得たとして審議対象とし、レース後に5秒のペナルティを科した。フェルスタッペンは、表彰式に備えて待機しているときにペナルティと降格を言い渡された。ソーシャルメディアのファン、さらにはバドックのレッドブルのライバルでさえこの裁定に怒りを引き起こし、メルセデスF1のニキ・ラウダは、マックス・フェルスタッペンは“何も悪いことはしていない”とし、スチュワードの決定は彼が今まで見た中で“最悪”だと批判した。3年以上が経過し、土曜日のFIA(国際自動車連盟)のWEB会議で、当時スチュワードを務めたギャリー・コネリーは、インシデントに関与した勝者と敗者の両方の結果をどのように考慮しなければならないかを強調し、ケーススタディとして2017年のF1アメリカGPでの彼の主張を示した。「決定する際には、我々は容疑者とされる側だけでなく、考慮する責任を示さなければならない」とギャリー・コネリーは語った。「影響を受けた人々についても考えることが重要だ。そして、あのイベントで私の心と仲間のスチュワードが貫いた古典的な例をここに示したいと思う」「2017年のアメリカGPでのレースの最終ラップだった。マックス・フェルスタッペンがキミ・ライコネンに対して素晴らしい動きを見せました。そして、最後から3ターン目だと思うが、彼はオーバーテイクした」「我々にはドライバースチュワードとしてミカ・サロがいた。そして、ミカはレーストラックで何が起こっているかを非常に素早く見ている」「そして、彼はすぐにマックスの素晴らしい動きだと我々に言ったが、彼はコーナーの内側で約1メートルトラックから外れていた。彼は追い越しのためにトラックを離れた」「我々は戻ってビジョンを見たが、それは非常に明確だった。それを見てから1分以内で非常に明確となった」「そして、その部屋で私の仲間のスチュワード、ラドヴァン・ノヴァク、ミカ・サロ、デニス・ディーンにとって難しい決断だった。マックス・フェルスタッペンを3位から降ろし、表彰台から引き離し、キミ・ライコネンと交代させなければならなかったからね」当時、ギャリー・コネリーと彼のFIAの同僚は、マックス・フェルスタッペンの軽蔑とファンの怒りの対象になった。「そして、我々はこれまでに多くの批判を受けてきた。我々はオランダでナンバーワンの公の敵であり、世界中のすべてのレッドブルファンが武装していた。そして、他の多くの人々も同様だった」「しかし、ルールを守っていればマックスがキミを追い抜くことはできなかったので、別のドライバーが彼の正当な立場を奪われていたという点で、我々はそれを別の観点からも見た」「そして、ルールを守るのはとてもシンプルなことだ。誰かを追い抜くためにコースを外れることはできない。コースを離れてアドバンテージを得ることはできない。そして、それは永続的なアドバンテージだった。彼はコースから1メートル離れてオーバーテイクをしたことで4位から3位に上がった」「難しい決断をするときは、罰せなければならないかもしれない人を気の毒に思うものだ。だが、その動き、競技者の行動によって影響を受けた他の競技者についても調査し、考えなければならない」ギャリー・コネリーは、マックス・フェルスタッペンへの裁定について後悔はしていないと語る。「それは私はずっと貫いていることだと思う。あれは本当に、おそらく、同僚と一緒にこれまでに下さなければならなかった最も難しい決断の1つだった」とギャリー・コネリーはコメントした。「しかし、それでも我々は正しいことをしたと信じている。我々は正しい決断をした。そして、今日マックス・フェルスタッペンと話せば、振り返ってみると、それが正しい決断だったと彼は同意するだろう」
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