2月15日(土)、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリー・スウェーデンの競技3日目デイ3が、スウェーデン北部ウーメオーのサービスパークを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 33号車)が首位を、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合2位を守り、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)は総合5位に順位を上げた。また、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)...
ラリー・スウェーデンのデイ3は、サービスパークの西側エリアで、3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。一日の最後に予定されていたSS15「ウーメオー1」が、ショートバージョンの「ウーメオー・スプリント3」に急遽変更されたことにより、7本のステージの合計距離は97.04kmとやや短くなった。早朝、ウーメオー周辺は曇り空だったが、徐々に晴れ間が広がりやがて快晴に。気温は土曜日の朝もマイナス10度程度まで下がり、夜中に降った雪によりステージの一部路面は少量の新雪に覆われた。金曜日のデイ2終了時点での首位エバンスと、総合2位の勝田の差は僅か0.6秒。チームメイト同士の激しいトップ争いはデイ3でも続き、オープニングのSS9で勝田がロバンペラに次ぐ2番手タイムを記録したことで、差は0.1秒に縮まった。しかし、SS10ではエバンスがベストタイムで両者の差は2.0秒に。続くSS11を走り、午前中のループが終了した時点で差は2.8秒となった。ミッドデイサービスを挟んで始まった午後の再走ステージでは、1本目のSS12で勝田がスタート直後にジャンクションを僅かにオーバーシュートしたことでやや遅れ、差は6秒に拡大。さらに、SS13でエバンスがベストタイムを記録した結果、8.6秒差となった。続くSS14では勝田が2番手タイムを刻んだ一方、エバンスはコントロールを失ってクルマが流れ、雪壁への激突こそ回避したが、少なからずタイムをロス。差は6秒に縮まった。そして迎えたデイ3最終のウーメオー・スプリント3では、勝田が2番手タイムを記録。エバンスはジャンクションでストールしたことで7番手タイムとなり、首位の座は守ったが、総合2位の勝田との差は3秒に縮まった。なお、勝田の3.3秒後方には総合3位のティエリー・ヌービル(ヒョンデ)が迫り、その6.5秒後方に総合4位オィット・タナック(ヒョンデ)が、タナックの10.1秒後方に総合5位ロバンペラがつけるなど、トップ5のタイム差は23秒以内という接戦が続いている。デイ2では新しいハンコック・タイヤに、クルマのセットアップとドライビングを最適化することに苦労したロバンペラは、デイ3で大幅に走りを改善。ベストタイムを1本、2番手タイムを2本、3番手タイムを1本記録するなどペースを上げ、前日の総合6位から、総合5位へと順位を上げた。また、TGR-WRT2から出場のパヤリは確実性を重視した走りを続けながらも、SS11では3番手タイムを記録。総合7位で一日を終えた。サポート選手権のWRC2では、デイ2首位のオリバー・ソルベルグ(プリントスポーツ)が4本のベストタイムで首位を守り、総合でも10位にポジションアップ。同じくGR Yaris Rally2をドライブする、2位ローペ・コルホネン(ラウティオ・モータースポーツ)との差を39.0秒まで拡げた。ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)今日もまた、大接戦が続いたエキサイティングな一日でした。タイヤが摩耗した状態で、路面がかなり凍結した最終ステージを迎えることになったため、ドライバーにとってはミスを犯しやすい状況でした。そして、残念ながらエルフィンは貴重な数秒をそこで失ってしまいました。それでも、エルフィンも貴元も全体的にはいい走りをしていますし、総合順位で1、2位をキープしているのは素晴らしいことです。ただし、直後につけているヌービルとの差も僅かなので、最終日は誰もがワクワクするような展開になるでしょう。ポイントを持ち帰ることはチャンピオンシップにとって大切なことなので、ハードにプッシュしながらもリスクのレベルを慎重に管理することが重要になるでしょう。エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)全体的には、かなり良い一日だったと思います。接戦が続き、ほぼ全員がどこかの時点で浮き沈みを経験したはずです。最後の2本のステージでは、小さなミスがいくつかあり、かなり大きな代償を払うことになりました。タイム差が非常にタイトな状況では、ミスを犯す余地はほとんどありません。最後から2本目のステージではコーナリングラインを少しだけ外してしまい、最後のステージではブレーキング中にリアが滑り出してホイールをロックさせてしまい、エンジンがストールしてしまいました。明日は、このようなミスを避けなければなりません。すべてを賭けて挑むので、きっとエキサイティングな一日になるはずです。カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)昨日よりもずっと良い一日でした。昨晩セットアップに多くの時間を費やしたことで、道幅が狭くテクニカルだった今朝最初のステージでは、とても良いフィーリングで走ることができました。走りやすくペースも悪くなかったと思いますが、ステージの道幅が広くなり、コーナーがロングでハイスピードなると、もう少し精度を高める必要があると思いました。明日は、この週末に学んだことを全てまとめ、できるだけ多くのポイントを獲得できるように頑張ります。勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)チャレンジングではありましたが、とても良い一日だったと思います。今朝はクルマのフィーリングに完全には満足することができず、午後はコンディションに少し苦戦しました。オーバーシュートをしてリバースを余儀なくされましたが、その後はなんとかタイムを挽回することができたと思います。前後の選手たちとのタイム差は大きくありませんが、この順位を守ることができていることを嬉しく思います。明日は面白くなりそうですが、自分としてはこの週末ずっと続けてきた仕事をやり続け、その上でどうなるか様子を見たいと思います。サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)今日はとても充実した一日でした。特に午前中は本当に素晴らしく、楽しんで走ることができました。かなりマージンを残していると感じたステージもあれば、改善の余地があると実感したステージもありましたが、それでもタイムは悪くなかったと思います。午後の再走ステージは、コンディションがトリッキーになったことで少し苦労しました。それでも全体的には、異なるコンディションの中で多くのことを学んだ、クリーンで良い一日でしたし、明日につながる良い点がた...
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