4月29日(土)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦ラリー・アルゼンティーナの競技3日目デイ3がアルゼンチンのビジャ・カルロス・パスを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)は前日よりも順位をひとつ上げ、総合5位に浮上した。また、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(ヤリスWRC#11号車)も総合7位にポジションアップ。例年にも 増して耐久色の濃くなった本ラリーで、2台揃って完走という目標に向けて、大きく前進した。
ラリー・アルゼンティーナ、デイ3はサービスパークが置かれるビジャ・カルロス・パスの西北エリアで6本計160kmのSSが行われた。コースは前日のデイ2と比べるとフラットだが、それでも依然荒れた路面も多く、前日に続き多くの選手がクルマに大きなダメージを負った。ラトバラはラフな路面を堅実に走り切り、デイ2よりも順位をひとつ上げることに成功。午後のステージではダンパーの破損や、ウォータースプラッシュを通過した際に水底のコンクリートにクルマが当たった衝撃でフロントウインドウが割れるなど、トラブルがなかったわけではなかったが、それでも大きな問題とはならなかった。一方、ハンニネンは午前中のSSでパワーダウンに遭遇。前日にも同様の問題が起こりチームは対策を施していたが、それでもこの厳しいラリーでは十分ではなかった。原因は既に突き止めているため、チームは次戦以降に向けて根本的な対策を練り、再発防止を誓った。なお、ハンニネンは、トラブルにも関わらず前向きな気持ちで走り続け、前日よりも順位をふたつ上げ、総合7位でデイ3を締めくくった。 競技最終日となる4月30日(日)のデイ4は、サービスパークが置かれるビジャ・カルロス・パスの西側エリアで3本のSSが行われる。SS16とそのリピートステージであるSS18「エル・コンドル-コピナ」はラリー・アルゼンティーナを代表する名物ステージであり、SS18はSSトップ5を記録した選手にボーナスポイントが付与されるパワーステージに設定されている。また、SS17「ミナ・クラベロ-ジュリオ・チェザーレ」は、巨石が点在する不思議な景色の中を走るコースで、こちらも非常に人気の高いステージだ。3本のSSの合計距離は55.28km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は285.39kmとなっている。 トミ・マキネン(チーム代表) いろいろな事が起きた昨日と比べると、今日は2台とも比較的順調で、過酷なアルゼンチンの道から多くを学ぶ事ができました。コースは依然として荒れている所が多く、我々のクルマにとっては良いテストの1日となりました。まだまだ改善すべき点は少なくありませんが、このようなラフなコンディションのラリーを戦うのは初めである事を考えると、ここまでのところ良いパフォーマンスを発揮できていると思います。また、選手たちは今日も良い仕事をしてくれました。ヤリ-マティは5位に順位を上げ、ユホ は着実に進化するという計画をきちんと遂行しました。明日の最終日も難しいステージが続きますが、我々の目標は2台揃って完走しポイントを獲得する事です。 ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC#10号車) 朝の最初のステージは朝日が目に入りとても眩しかったのですが、良いスタートとなりました。2本目のSSは去年アクシデントに遭遇したコースだったので、少し用心深く走り過ぎたかもしれません。全体的に今日のペースは悪くなかったと思いますが、少しタイムを失っているような感じがしました。それが一体何故なのかはハッキリとは分かりませんが、もしかしたらコーナーで少しアグレッシブに走り過ぎているのかもしれません。とはいえ、依然としてライバルにプレッシャーをかけ続けていますし、まだ勝負は終っていません。明日はもっとも短い1日ですが、ラリー全体の中でも特に難しいコースを走るので、気を引き締めて臨みます。 ユホ・ハンニネン(ヤリスWRC#11号車) クルマの信頼性は総じて高かったと思いますが、今日はハンドリングが少し神経質に感じられ、コントロールに少し苦労しました。とにかく注意して走行し、問題なく最後まで走り切ろうと心に決めていたのですが、それはうまくいき、順位を少し上げる事ができました。走行終了後、明日の最終日に向けてクルマをより良くしようとエンジニアと話しをしました。クリーンに走るという目標は明日も変わりませんが、できるだけ多くのポイントを獲得したいと思っています。
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