トヨタは、全8戦で戦われているFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦上海6時間レースに、現在首位に立っている選手権のリードをさらに広げるべく全力で臨む。チームは第5戦富士6時間レースで1-2フィニッシュを飾り、ホームコースでの3連覇を果たした。この結果、トヨタはマニュファクチャラーズ選手権で8ポイント差の首位に立ち、上海へと向かう。
富士で今季3勝目を挙げ、ドライバーズ選手権首位の座を守ったTS040 HYBRID#8のドライバー、アンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミは、今回も2名で走る予定。ニコラス・ラピエールは、都合により今シーズンの残りのレース出走をとりやめることとなった。アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴のドライブするTS040 HYBRID #7は、上海での過去2戦でポールポジションを獲得しており、3年連続ポールポジションを目指す。昨年の上海6時間レースはポールポジションこそ獲得したものの、不満の残る結果となってしまった。#8が勝利へ向け好走を見せていたが、サスペンションのダメージによりリタイアを余儀なくされてしまった。#7は終盤タイヤのパンクに見舞われ、2位に終わった。しかし、トヨタ・レーシングは上海での優勝トロフィーをケルンの本拠地に飾っている。ブルツとラピエールのドライブした#7が2012年の活躍のひとつとして上海で勝利をもたらしたからである。四輪駆動から1000馬力を発揮するトヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)は今年、25%の燃費削減を果たしながらも更なるパワーを得ており、16のコーナーを持つ1周5.451kmの上海国際サーキットには適していると思われる。上海6時間レースのスケジュールは、10月31日(金)に午前10時45分と午後3時半(日本時間の午前11時45分と午後4時半)からの1時間半にわたる2度の練習走行が行われる。11月1日(土)は午前9時半(同午前10時半)から1時間の最終練習走行の後、午後1時55分(同午後2時55分)からLMPクラスの予選が25分間で実施され、6時間の決勝レースは11月2日(日)午前11時(同正午)にスタートが切られる。木下美明 チーム代表:「富士6時間耐久レースでの1,2位という結果は大きな自信になったが、今週のレースも世界選手権タイトル獲得に向け、これまで以上に気を引き締めて臨む。今まで、特に上海ではトヨタTS030 HYBRIDは非常に速かった。今年のモデルTS040 HYBRIDもそれに劣らない力を発揮してくれると期待している。もちろん富士の後、我々の強力なライバルも更に進化しており、レースは非常に厳しい戦いになると思う。我々も、全力でレースに臨みたい」アレックス・ブルツ(TS040 HYBRID #7):「このサーキットには良い思い出があり、上海戦は楽しみにしている。コースレイアウトが私のドライビングスタイルによく合っているので、運転のリズムに乗り易い。それに、ここでは2012年にはポール・トゥ・ウィン、昨年もポールポジションを獲得したという好戦績を残している。このサーキットはTS040 HYBRIDの特性に合っていると思うので、期待している。富士での1-2フィニッシュは最高の弾みになったので、残るレースも全開で頑張る」ステファン・サラザン(TS040 HYBRID #7):「また中国で走ることにとても興奮している。いくつかの高速コーナーや面白い要素があって、このコースは好きだ。昨年のレースはついていない結果となったが、それまでは良い戦いをしていたし、#7と#8の2台のTS030 HYBRIDは非常に速く、強かった。特にアレックスは速かった。我々はシーズンを通じて高い競争力を見せ続けて来たし、この週末もまた勝てると自信を持っている。我々の目標は世界選手権でのライバルに対するリードを広げることだ。出来る限りプッシュする」中嶋一貴(TS040 HYBRID #7):「上海を最後に走ったのは2009年で、LMP1でここを走るのは初めて(2012・2013年はブルツとラピエールの2名で参戦)なので、上海に戻って来るのがとても嬉しい。ここは非常にトリッキーなコースで、攻略法を覚えるのは容易ではない。タイヤにも厳しく、周回遅れの車両の処理も難しいだろう。我々のTS040 HYBRIDがこのコースで速いことは知っているので、また勝てるように頑張る。そして、ここが、2つの世界選手権タイトル獲得のために、とても重要なレースになるだろう。シーズンも終盤戦に入るので、それだけに大量ポイントの獲得が大切になる」アンソニー・デビッドソン(TS040 HYBRID #8):「マニュファクチャラーとドライバーの両選手権でリードを保って上海に向かえるのは素晴らしいことだ。シーズン終了時点でこのポジションにいられるよう全力を尽くす。昨年はレースをリードしながらも技術的トラブルでリタイアしており、私個人にとって上海はやり残した仕事といえる。今年は必ず勝利し、この仕事をやり遂げるつもりだ。我々はまだ富士の勝利の余韻に浸っているが、気持ちを入れ替え、必ず選手権タイトルを獲得するつもりで残り3戦に立ち向かう」セバスチャン・ブエミ(TS040 HYBRID #8):「昨年の上海のレースは、トラブルでリタイアするまで最高の流れだった。予選でポールポジションを獲得し、決勝レースでは最初からリードした。我々のTS030 HYBRIDは明らかに最速だった。この素晴らしい思いを胸に、今年もレースを楽しんで来たい。上海サーキットはTS040 HYBRIDに適したコースだと思うので、今年も良いレースが期待出来る。ポールポジションからスタートして1,2位でゴールした富士6時間は理想的なレースだったが、この勢いを活かし、世界選手権タイトル獲得へ向け戦う。残り3戦が勝負だ」
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