トヨタは、2014・15年に続いて、第3弾となる“5大陸走破プロジェクト”を南米で8月22日に開始したと発表した。日本と現地事業体の従業員約110名が協力しながら、約3か月半にわたり、南米大陸の多様で厳しい道を走破。従業員自らがステアリングを握り、走行するという現地現物の経験を通じて、「もっといいクルマづくり」を担う人材の育成を目的としている。
トヨタは2014年に豪州で5大陸走破プロジェクトの第1弾を開始。従業員80名が世界の様々な道が凝縮されていると言われるオーストラリアの砂漠や悪路が続く過酷な道を約20,000km走破し、テストコースでは得ることのできないクルマづくりの数々のヒントを得た。2015年には、北米で第2弾を実施し、トヨタ従業員140名が約28,000kmの道を走破。夏季と冬季に分けて実施することで、デスバレーなどの酷暑地やアラスカ・カナダの寒冷地など、厳しい走行環境下でクルマに求められる性能や水準を学んだ。第3弾となる今回の南米大陸走破では3チームに分かれ、計7か国で約20,000kmを走破する予定。いくつもの国境を越える中で、多様な文化、風土を肌で感じながら、熱帯の泥濘路や標高4,000m以上の高地山岳路を走行するほか、強い横風が吹く道での高速走行などを実施。また、世界一過酷なモータースポーツと言われるダカール・ラリーのコースにもなっている砂丘やワジ(涸(か)れ川)なども走行し、厳しい環境を走り抜くなかで、参加メンバーの「もっといいクルマづくり」の感性を磨いていく。豊田章男社長は「自らステアリングを握り、さまざまな道と対話する現地現物の経験の中で、感じたことや考えたことが、『もっといいクルマづくり』のヒントになる。今回の南米走破は国や地域によって『道が変わる』だけでなく、『気温や高低差が変わる』クルマにとってもドライバーにとっても数多くの困難に直面するプロジェクト。さまざまな壁を乗り越える中で、それぞれの感性を磨いてきてほしい」と述べた。トヨタはモータースポーツをクルマの持つ「夢」や「感動」をお客様にもたらす重要な活動と位置づけ、TOYOTA GAZOO Racingの傘のもとで、「もっといいクルマづくり」に向け、人を鍛え、クルマを鍛える活動から、クルマファン層を広げる活動まで一貫して取り組んでいる。2007年からはドイツで開催する「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」に従業員で構成したチームで参戦。クルマを極限状態に置くレースを通じて「人づくり」を進めてきた。5大陸走破プロジェクトもこのモータースポーツ活動の思想を根幹とした「TOYOTA GAZOO Racing」の取り組みの一環として推進。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年をマイルストーンとし、グローバルトヨタ34万人が心ひとつに「もっといいクルマづくり」を推し進め、より多くのお客様に笑顔になっていただけるよう、今後も活動を継続していく。