トヨタのレーシングハイブリッド・プロジェクトリーダーを務める村田久武は、3台体制でのル・マン24時間レースへの参戦は“無駄になった”と述べた。今年、トヨタはWECに2台体制でエントリーしているが、ル・マン24時間レース初制覇という悲願を達成するためにル・マンには3台体制で参戦した。しかし、3台目のエントリーとなった9号車は、後方からLMP2車両に追突され、左リアタイヤのパンクと油圧系統にダメージを負いリタイアとなった。
「9号車は無駄になってしまいたね。ラピエールはプッシュする必要のない場所でプッシュし、後方から追突されました。クルマが生き残っていたら、我々は勝つことができていたでしょう」と村田久武はコメント。「新しいLMP2カーは速すぎたかもしれません。ドライバーの力を考えれば、今年のLMP2カーはドライバーの能力を上回っていたと思います」9号車のリタイアは、7号車のリタイアの直後に起こった。7号車はレースをリードしていたが、小林可夢偉がピットレーンでアルガルベ・プロ・レーシングのLMP2ドライバーであるヴィンセント・キャピレーをマーシャルと勘違いし、発進と停止を繰り返した結果、クラッチが故障した。唯一の生き残りとなった8号車は、フロントモーターとバッテリーの交換によって2時間をロスしたことですでに優勝争いから脱落しており、総合8位でフィニッシュした。「あまりに多くのクルマがコースオフし、多くのイエローフラッグとスローゾーンがありました」「我々はスローゾーンのテストをあまりやっていなかったので、何かが起こる可能性はありました」今年、トヨタは小林可夢偉がコースレコードを大幅に更新するタイムでポールポジションを獲得。レースでもリタイアするまで1分近くリードを築いていた。「昨年の後悔は、全てがうまくいっていれば、勝てたかもしれないということでした。ところが、今年は勝てるクルマだとわかっていても勝てませんでした」関連:【ル・マン24時間】 トヨタ 7号車のリタイアはLMP2ドライバーが原因?