トヨタ自動車の豊田章男会長が、準優勝に終わった2023年のル・マン24時間レースについてコメント。“場外の戦い”がアスリートとしての戦いを邪魔していたと述べた。ル・マン直前、ルールで規定されていないタイミングでBalance of Performance(BoP/性能調整)が変更されて物議を醸した。チーム代表の小林可夢偉は主催者側と協議を続けたが、トヨタには37kgのウエイトハンデが科された。
だが、ライバルで優勝したフェラーリも24kgの重量増となっており、開幕3戦で振るわなかったポルシェのためのBoPだと揶揄された。最終的に4台を投入したポルシェは全車リタイアという結果に終わっている。これまでル・マン24時間レースを5連覇していたトヨタは、8号車が2位、7号車がリタイアに終わり、100周年という記念すべき大会で50年ぶりにワークス復帰したフェラーリに主役の座を奪われた。「今年のル・マン24時間レースは”場外の戦い”が、みんなのアスリートとしての戦いを邪魔していました」とモリゾウこと豊田章男会長はコメント。「このことが本当に悔やまれて、残念で、申し訳ない気持ちです」「しかし、そんな中でチームのみんなは正々堂々と戦ってくれました」「2位完走の結果は本当に素晴らしいです。みんな、ありがとう。この準優勝をみんなで自慢しましょう!」「チームモリゾウ全員で戦った証として胸を張りましょう!」また、豊田章男会長に代わって、トヨタ自動車の社長に就任した佐藤恒治もコメントを発表。100周年という記念の年に、6連覇という大きなプレッシャーがかかる大会で、トヨタWECチームは全力を出し切りました。応援してくださった全ての皆様に、心から感謝申し上げます。チームと共に1年を歩んできて、私はチームの色々な姿を知っています。可夢偉代表が、日々チーム全員と対話し、闘いの意義やチームワークの大切さを現場で伝えてきたことを。マイク、ホセ、セブ、ブレンドン、亮、そしてドライバー可夢偉、ドライバー達が、アスリートとして自らを追い込み、速いクルマを創ってきたことを。メカニックが、この日のために一つひとつの作業を磨き、タイヤ交換の練習を毎日毎日、繰り返し行ってきたことを。一昨年と昨年のル・マンで起きたトラブルをエンジニアが見事に解決し、クルマの信頼性を格段に高めてくれたことを。みんなで思いをひとつにして、チームはモリゾウと共に、トヨタのWECへの挑戦を支え続けた内山田と共に、闘いに挑みました。どんな状況であっても、諦めずに努力を積み重ねて挑戦した結果だから、チーム全員を私は誇りに思います。全員がヒーローでした。私たちの挑戦には、いくつか失敗もあったかもしれません。しかし、失敗は挑戦をした者にしか起きないのです。限界を超える挑戦には、途方もない勇気が要ります。その勇気こそが、未来を変えていく原動力だと私は思います。「挑戦者たれ」。今年のル・マンは、次の100年をどのように迎えるべきなのかを私たちに教えてくれました。たくさんの応援をありがとうございました。私たちは、これからも闘い続けます。
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