3月16日(木)、米国フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦セブリング1000マイルの予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ)のGR010 HYBRIDは2番手、3番手グリッドを獲得した。 トヨタの2台のGR010 HYBRIDは、米国耐久レースの聖地とも言えるセブリングでハイパーカーのライバル9台と僅差の予選アタックバトルを展開。
ブレンドン・ハートレーがアタックを担当したGR010 HYBRID 8号車は1分45秒281の好タイムをマークするも、ポールポジションのフェラーリには0.214秒及ばず、それでも最前列2番手グリッドを確保した。小林可夢偉がアタックしたGR010 HYBRID 7号車もまた、僅差での好走を見せた、8号車から0.267秒遅れの3番手。TGRは全7戦で争われる今季のWEC開幕戦を、2台揃って勝利を狙える好位置からスタートすることとなった。小林は、この日予選の前に行われた公式練習3回目でハイパーカーの最速ラップタイムを更新した。しかし、このセッション中、7号車はロペスがアクシデントに見舞われ、車両右後部にダメージを負ってセッションを終えることとなってしまった。メカニックの迅速な作業により7号車は予選までに修復を終え、小林のドライブで、予選セッション開始のグリーンライトと共にコースへと向かった。 今シーズンからの規則変更で、タイヤウォーマーであらかじめタイヤの温度を上げておくことができなくなったため、これまでのシーズンのように、新品タイヤで走りだしてすぐに最速ラップを刻むことができなくなった。ドライバーは数周にわたってタイヤを暖めなくてはならず、本格的なアタックが開始されたのは、15分間の予選セッション後半に入ってからだった。セッションが後半に入り、フロリダの太陽が地平線に沈む頃、ハートレーの駆るGR010 HYBRID 8号車がまず1分45秒台に入れる好タイムでタイムシートのトップに浮上し、7号車の小林も同じく1分45秒台に入れ、チームメイトに続いた。しかし、フェラーリの50号車がこの2台を上回るタイムを叩き出してトップへ浮上。ハートレー、小林共にアタックを続け、さらにタイムを縮めたものの、惜しくもポールポジションには届かず。8号車が2番手、7号車は3番手グリッドとなった。しかしながら、決勝レースへ向けた車両セットアップや戦略の準備は順調に進んでおり、トヨタは世界チャンピオン防衛へ向け、現行WECでの40勝目を目指し、明日17日(金)の現地時間正午(日本時間18日午前1時)にスタートするセブリング1000マイルに挑む。小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)ベストを尽くしましたが、予選ではフェラーリが僅かに速かったです。彼らは素晴らしい仕事をしたと思います。プロローグや公式練習走行の時点で、彼らの速さ、また、予選でそのパフォーマンスを示してくることはわかっていました。彼らと良いバトルができて楽しかったです。我々はここ数日、決勝レースへ向け車両セットアップで懸命な努力を続けてきました。我々が戦っているのは耐久レースであり、最も重要なのは明日金曜日に行われる決勝レースです。準備はしっかり整っていると思いますし、スターティンググリッドも悪くないので間違いなくチャンスはあります。エキサイティングなレースになるでしょう。 ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)予選の前から期待に溢れていました。鼓動が高まり、ル・マンでのハイパーポール前のようでした。このコースはミスしやすい箇所が多くあり、また沈みかけた夕日で視界も遮られるなど、難しい状況でしたが、それでもベストを尽くし、アタックしました。もう少しタイムを削れたコーナーもあったかも知れませんが、良いアタックラップができたと思います。フェラーリは素晴らしいアタックで、彼らに祝福を贈ります。最前列グリッドからのスタートが目標だったので、それがほぼ達成できたことに満足していますし、最高のレースになることを楽しみにしています。
全文を読む