世界で最も過酷なラリーレイドであるダカールラリーの開幕を5日後に控え、2年連続の総合優勝に挑むTOYOTA GAZOO Racing(トヨタ)ダカールチームは、サウジアラビア西海岸の都市ヤンブ北部に置かれたシーキャンプでラリーを戦う3台のGRダカールハイラックスT1+を組み上げた。この後シェイクダウンで全てが問題ないことを確認し、ダカールラリー2023の本番へ向けた最終チェックに向かう。
2023年1月1日元旦のスタート前に、第1ステージのスタート順を決める11kmのプロローグランが2022年大晦日、31日の午後に行われる。そして、ラリーはステージ8の後に置かれる休息日を挟んだ全14ステージのスケジュールで競われる。2022年大会では、カタール人ドライバーのナッサー・アル-アティヤと、フランス人コ・ドライバーのマシュー・ボーメルが、GRダカールハイラックスT1+を勝利に導きました。この勝利はアル-アティヤ/ボーメル組が2019年に続きトヨタにもたらした2勝目であり、来たる2023年大会での連覇を目指す。チームメイトの南アフリカ人ドライバー、ジニエル・ド・ヴィリエールは、これまでダカールラリーに20回参戦し、輝かしい戦績を重ねてきたドライバー。ド・ヴィリエールは2009年に総合優勝を飾ったほか、7回の表彰台を獲得している。これまでの20戦のうち、トップ10を逃したのはたった1度だけという安定した成績を残しており、今年も同じ南アフリカのコ・ドライバー、デニス・マーフィと共に好成績を狙う。3台目のクルーである南アフリカ人コンビのヘンク・ラテガンとブレット・カミングス組は今回がダカールラリー3度目の参戦となり、2021年と2022年の参戦を通じて経験を積んできた。初参戦となった2021年は、序盤のステージ5で激しくクラッシュし、ラテガンが鎖骨を骨折する事態に見舞われたことでリタイアに終わった。しかし、翌2022年にはステージ2勝を飾る速さを見せ、完走を果たした。ダカールラリー2023は、ここ数年の通例であった全12ステージより2ステージ増えた全14ステージとなり、さらに厳しい戦いになるだろう。それだけでなく、ルートはエンプティ・クォーター(空白地帯)と呼ばれるルブアルハリ砂漠の、これまで以上に深い地域へと踏み込む。さらに、休息日がレース期間の折り返し点以降に移動したことに加え、ステージ途中での休息ポイントがなくなったことで、戦いがさらに厳しいものになることは間違いない。しかし、GRダカールハイラックスT1+は前回のダカールラリー勝利のあとも着実な改良を続けてきた。アル-アティヤ/ボーメル組が世界ラリーレイド選手権(W2RC)の初代チャンピオンを獲得したことに加え、ド・ヴィリエールがチャンピオンを獲得した南アフリカラリーレイド選手権は、チームにとって重要なテストとなる機会でもあった。これにより、GRダカールハイラックスT1+の品質と信頼性、耐久性にさらに磨きをかけ、チームは2022年にダカールラリーを制した車両よりも「もっといいクルマ」を作り上げたと確信している来たるダカールラリー2023のルートは、シーキャンプと呼ばれるサウジアラビア北西部の、紅海に面した沿岸部からスタートする。プロローグのあと、ステージ1はシーキャンプへと戻ってくるループステージで、ステージ2は美しい峡谷地帯を抜けてアル=ウラーへ。ステージ3でハイルへと向かったあと、ハイルをビバーク地としたループステージが2日続き、続く2日間でアル=ダワディミへと到達。アル=ダワディミ起点のループステージを経て、ステージ8でサウジアラビアの首都であるリヤドへと向かい、休息日を迎える。そこから、ルートは東へと向きを変え、ハラドへ。ラリー終盤戦の舞台となるエンプティ・クォーターに挑むことになる。この終盤に用意される今年のマラソンステージ(砂漠の中に設けられたキャンプ地を経て、翌日のフィニッシュまでサポート無しで走る区間)はラリーの結果に大きな影響を及ぼすことになる。最終盤の数ステージは、シェイバーからアル=フフーフを経て、ペルシャ湾岸の都市ダンマームへと向かうルートとなる。この終盤の3ステージは全て200km未満と距離こそ短いが、これらのステージが今大会中最もタフなステージとなる可能性があり、短距離だからと軽視すべきでないとラリー主催者は警告している。ダカールラリー2023は、初めてサウジアラビアの西岸から東岸へ横断するルート設定となり、また初めて訪れる都市ダンマームで最終日1月15日にゴールを迎えるスケジュールとなっている。トヨタダカールチーム代表 グリン・ホール:我々はこの1年、1月のダカールラリー2022で勝利を挙げてから、このダカールラリー2023への準備を進めてきました。そして、W2RCのタイトルも獲得するだけでなく、南アフリカラリーレイド選手権を制し、最高の気分で来たるイベントへ向けた準備が完璧に整ったと感じています。あとはスタートフラッグが振り下ろされ、最新のGRダカールハイラックスT1+が活躍してくれるのを見届けるだけです。ナッサー・アル-アティヤ(No.200):ダカールラリーは本当に大きな1戦です。2022年は、初代W2RCチャンピオンを獲得することができ、我々にとっては素晴らしい1年でした。しかし、今年も勝ちたいと思っていますし、改良されたGRダカールハイラックスT1+は間違いなくそれを叶えてくれる車両だと確信しています。