トヨタのジョン・ハウエットが、F1トルコGPに期待するトヨタのパフォーマンス、また現在のF1の政治情勢について語った。トルコGPでのトヨタチームには、どのくらい勝ち目がありそうでしょう?トルコではかなり上位進出の可能性が高いと信じている。我々はコンストラクターズ選手権3位だし、モナコは例外だったが、今シーズン全てのコースにおいて高い競争力を発揮している。現在、我々のドライバーは2人とも非常に良いパフォーマンスを発揮しているし、通常のレイアウトのサーキットでは基本的に自分たちのクルマが強さを発揮できるこ...
モナコでのパフォーマンスが、あれだけ期待外れだったのはなぜでしょう?バルセロナの第3セクターは、あのコースの中で最も遅い区間だったが、そこで我々のクルマは予想していた程のパフォーマンスを発揮できなかった。そうした面がモナコでは一層誇張されてしまった。モナコは全体が低速のコースだからね。基本的に我々のクルマは低速区間をそれほど得意としておらず、この点については改善していなかければならない。その問題に対処するため、モナコ以降にどんなことをしたのでしょう?ケルンに戻ってチームは、モナコで何が起こったのかを理解すべく、これ以上ないくらい懸命に仕事をした。実際の週末のデータに基づいてモナコでの状況を分析し、それに基づき風洞試験を行った。そして更には直線走行による空力テストも実施した。現在、そこで得られた結果から解決策を開発している。バルセロナ以降、トヨタは上位陣の速さについていけなくなったのでしょうか?結果に関して言えば、この2戦は明らかに自分たちが期待していたことを実現できなかった。しかし私は、我々のクルマには本質的に高い戦闘力が備わっており、今後のレースではそれを証明する結果を得られると固く信じている。我々のクルマには、バルセロナでもある程度の競争力があった。特に1周のうちの中〜高速区間ではそうだった。残念ながらレースではスタートが上手くいかず、そのせいでヤルノはアクシデントに巻き込まれ、ティモは渋滞に捕まってしまうなど、妥協を余儀なくされた。我々がトップ6以内でゴールできる可能性は十分あった。もしそうなっていたなら、上々の結果と言えただろう。モナコでの結果は言うまでもなく受け入れ難いものだったが、あそこのコースは唯一無二の独特なレイアウトだし、トルコで我々は間違いなく再び競争力を発揮できると思っている。これからのレースでは毎戦、新しいパーツを持ち込むので、非常に近い将来、再びトヨタがトップ争いする姿を皆さんが目にできると私は信じている。F1の政治情勢は如何ですか?他のFOTAメンバーのチームと同じく、トヨタは2010年F1世界選手権への条件付きエントリーを提出した。我々としては、その諸条件が受け入れられることを願っている。まず、適切な統治を保証するため、今年の6月12日以前に全チームが新コンコルド協定に署名する必要がある。次に、2010年のレギュレーションはFOTAが提案した修正案を含む、今年のレギュレーションを基本にしたものでなければならない。トヨタはF1に対し、どれくらい強い姿勢で関わっているのでしょう?我々は常々“我々はF1に参加し続けたいと思っている”と言ってきたし、もしも我々の条件付きエントリーが受け入れられるなら、我々は少なくとも2012年シーズンの終わりまでは、このスポーツに関わり続けるつもりでいる。もしも実際にそうなった場合には、我々の将来に関する根拠のない諸々の噂も消えることだろう。FOTAは2010年のバジェットキャップに同意したのですか?いや、FOTAが提案した2010年レギュレーションには如何なる形のバジェットキャップも含まれていない。FOTAは支出をコントロールする理にかなった方策を提案した。これは非常にシンプルかつ実用的な方法で、同時に外部団体による高額になるかもしれない監査手法を避けることができるやり方だ。2010年レギュレーションに関して、我々は詳細な内容をまとめた提案を提出しており、我々としてはこれがF1に繁栄をもたらすと信じている。新規参戦チームに関しては如何でしょう? FOTAはF1に新たに参戦する各チームを支援するのでしょうか?新チームが参戦するのは喜ばしいことだ。ただし、我々は最初から全チームが同じルールの下で競い合わなければならない、という意志を明確にしてきた。経費削減はFOTAの根本的な理念の一つだし、我々はエンジンとトランスミッションのリースに関する経費を既に50パーセント削減しており、また、我々が提案した2010年レギュレーションでは、更に大幅な削減が提示されている。これらには、空力開発に関する制限、新素材の使用制限、そしてお金のかかる技術的行為の禁止が含まれている。例えば、ホイールリムを温める技術などだが、こうしたものはショーとしてのF1を盛り上げるために何の役割も果たさない。我々は、F1にエントリーし、参戦していくための経費を削減するために、数多くの効果的な施策を提案済みだ。ここまでの交渉はどのくらい困難なものでしたか?F1に関わる誰もが知っている通り、これは長く、そして時には困難を伴うプロセスだったし、まだ結論も出ていない。もし我々のエントリーに添付された条件が受け入れられるなら、F1が勝者になるだろうと私は信じている。FOTA内でこれまでにないレベルの結束を目にできたことは、この上なく喜ばしいことだった。当然ながら、コース上では我々はお互い競い合っているわけだが、私たち誰もが知っているこのF1というスポーツが、実現可能な形で確実に続いていけるようにするには、お互いが協力していく必要があることを全員が認識し、そして行動した。この組織の建設的かつオープンな雰囲気のお陰で、私は今後のF1の健全性に対して大いなる希望を持つことができた。