トヨタのモータースポーツ部主査を務める高橋敬三が、ヒスパニア・レーシングとの契約破綻、そしてTF110を含めたF1の技術提供について語った。トヨタは、2010年用に開発したF1マシン「TF110」をヒスパニア・レーシングの2011年マシンとして提供する話を進めていたが、最終的に実現はしなかった。報道ではヒスパニア側の支払いが遅れたことが理由だとされている。
「経緯と申しますか、TF110というクルマは開発していたということで、その技術を欲しいということで、常に複数のチームと話し合いというのは行われておりました」と高橋敬三は説明。「その中で、前回はHRTとの話しがずっとあったのですが、最終的にご破算となったというところです」「今後につきましては、もう1年間遠ざかっているということで、すぐにまた次のクルマをということではないと思いますが、TMGのほうには施設もありますし、人員も育てているので、ビジネスとして技術的な援助というのは今後ありえるのではないかなと思います」今後、他チームへのTF110の提供に関しては「(ヒスパニア・レーシングとは)いろんな内容があったんですけれども、ご破算になってしまいましたので(同様なことを他のところでやるというこは)ないと思います。もう1年クルマが経ちましたから」ともうその意志がないことを高橋は明かした。海外のF1に代わるスポーツに関しては「技術的にはかなり煮詰まってきてはおりますが、一方で現在の円高等の経済情勢のなかで、なかなか当初は『10月に決めたい』と山科も言っておりましたが、社内的にはまだもう少し先になるのかなと思います」と述べた。