2019年シーズンにピエール・ガスリーが表彰台を獲得したトロ・ロッソ(現ビザ・キャッシュアプリRB)のF1マシンが、F1 Authenticsを通じてオークションに出品される。F1公式のメモラビリアを扱う「F1 Authentics」は、オースティンGPオークションキャンペーンの一環として、実際にレースで使用されたトロ・ロッソのマシンを出品する。
今回出品されるのは、2019年FIAフォーミュラ1世界選手権シーズンで走行したシャシー「STR14-04」であり、ハイブリッド時代における最も希少なコレクターズアイテムのひとつ──表彰台を獲得した実戦車両だ。STR14は、チームがアルファタウリへと変わる前に「トロ・ロッソ」の名とカラーリングを冠した最後のマシンであり、F1史の節目を示す存在でもある。鮮やかなブルー、シルバー、レッドのカラーリングに加え、当時のスポンサー・ロゴが残された姿は技術的にも視覚的にも際立っている。ピエール・ガスリーとアレックス・アルボンがドライブし、とりわけ注目されたのは、ガスリーがブラジルGPで記録した自身初のキャリア表彰台となる2位フィニッシュであり、これはトロ・ロッソにとってもその10年間で最高のリザルトだった。このシャシーは素晴らしい保存状態で公開され、実戦使用の雰囲気をそのまま残している。ホンダ製パワーユニットは日本に返却されているものの、当時の戦いを象徴する姿を完全に再現しており、付属品として異なるスペックのフロントノーズ&ウイング、チームカバー、スペアパーツ、追加のホイールとタイヤも含まれる。ハイブリッド時代の実戦使用F1シャシーが民間に放出されるケースは極めて稀であり、本車両はその数少ない一例となる。現在f1authentics.comでプレビューが公開されており、入札は10月7日に開始、アメリカGP終了後の10月21日まで行われる。F1 AuthenticsはMemento ExclusivesがF1のライセンスの下で運営しており、年間を通じて複数の大型オークションを開催している。今回のオースティンGPオークションでは、サイン入りのレースウェアやヘルメット、本物のカーボディパーツなど幅広いアイテムが出品される予定で、今回のような実戦マシンが目玉商品となり、コレクターにとってF1の歴史を所有できる貴重な機会となる。