トロロッソ・ホンダは、F1アブダビGP初日のフリー走行で、ピエール・ガスリーが11番手、ブレンドン・ハートレーが16番手で終えた。F1はシリーズ最終戦となる第21戦アブダビGPを迎えた。アブダビのヤス・マリーナ・サーキットでのグランプリは、レース中に日没を迎えるトワイライトレースとして知られ、今年で10年目を迎える。
午後1時、天候は晴れ、気温29℃のコンディションでP1が開始された。トロロッソ・ホンダの2台は、ハイパーソフトタイヤで走行を開始し、多くの周回を重ねセッティングを進める。セッション前半、ピエール・ガスリーが1分42秒041で12番手、ブレンドン・ハートレーが1分42秒283で14番手をマーク。セッション残り30分となり、ニュータイヤでコースインした2台は、ガスリーが1分40秒671、ハートレーが1分41秒137とタイムアップを果たす。セッション終盤まで走行を続けた2台だが、終盤にガスリーのマシンのギアボックスにトラブルが発生したためピットイン。このセッションを、ガスリーは17周を周回し11番手、ハートレーは26周を周回し14番手で終えている。午後5時からのP2では、ピエール・ガスリーはギアボックスの交換を終え、走行に臨んだ。まずガスリーはウルトラソフトタイヤで、ハートレーはスーパーソフトタイヤでコースインし、セッティングを行った。ガスリーは1分39秒983とベストラップをマークした。その後2台はハイパーソフトタイヤに交換。予選に向けたアタックシミュレーションではガスリーが1分38秒506、ハートレーが1分38秒957とベストタイムを更新し、そのままハイパーソフトタイヤでのロングランを行った。セッション終盤には、それぞれ最初に走行したウルトラソフトタイヤ、スーパーソフトタイヤに戻し、セッティングを進めプログラムを消化。ガスリーはトータル32周を走行し11番手、ハートレーはトータル35周を走行し16番手で、P2を終えた。F1アブダビGP2日目は11月24日(土)、午後2時(日本時間午後7時)よりP3、午後5時(日本時間午後10時)より予選が行われる。ピエール・ガスリー「両セッションを11番手で終えることができ、チームにとってポジティブな金曜のセッションになりました。マシンの第一印象はとてもよかったのですが、10番手以内になるためにはまだなにか足りておらず、それを解明していく必要があります。明日は大事な一日になるので、予選で最大限のパフォーマンスを出し日曜の決勝でいいレースができるよう、今夜の作業でセッティングの最適化に取り組みたいと思います」ブレンドン・ハートレー「総合的にはこのレースウイークのいいスタートを切れたのではないでしょうか。今日のセッションは、前回のレースで苦戦したロングランでのタイヤマネジメントに重点をおいて進めました。マシンにトラブルが出てしまったので、予選を想定したショートランでのハイパーソフトでは満足に走ることはできなかったのですが、ロングランでは期待していた結果が得られました。レースでのペースは期待できそうなので、予選に向けて今夜は引き続き準備進めていきたいと思います」田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「今日はPUとしては特に大きなトラブルもなく、シーズン最終戦をスムーズなかたちでスタートできました。なお、P1終了後に問題の可能性があったギアボックスの交換を行いましたが、PU側では特に大きな影響はありませんでした。明日は予選に向けて、さらにセットアップを煮詰めていければと思います」ジョナサン・エドルズ (トロロッソ チーフレースエンジニア)「予選はよかったペースが決勝では思ったように発揮できなかった前大会の後、私たちはショートランとロングラン時のペースの違いを解明することに重点を置いて準備をしてきました。今日のセッションは、決勝レースでのペースを上げるため、解析した先週のデータを元にテストを行い、同時にショートランでのマシンのペースにも着目して走行しました。1回目の走行ではハイパーソフトでの走行を主に行い、両マシンに2セットのハイパーソフトを履かせました。ブレンドンの走行結果は、私たちが分析してきたことがほぼ証明された結果となりました。残念ながら、ピエールは最後の走行時にギアボックスにトラブルが発生してしまいました。トラブルの原因は分かっていましたが、P2でのリスクを避けるためにギアボックスを交換することにしました。P2は予選前の最後の走行セッションであると同時に、路面コンディションがレース決勝時と近くなるので、レースウイークで一番重要なセッションではないでしょうか。そこで重点を置いたのは、ロングラン用のセットアップでショートランをしたときのマシンの最適化でした。ピエールのマシンでは期待した結果が得られたのですが、ブレンドンはなかなか合わせ込むことができなかったので、まだ改善していく点があると思います。ショートランでのペースには手応えを感じることができ、ロングランでは改善する点はまだあると感じていますが、ここ最近のレースのときよりもよくなってきていると思います。予選のために、今夜まだ解析しなければいけないことが残っています。全チームが抱えている大きな問題は、ハイパーソフトタイヤの持たせ方ではないでしょうか。ロングラン時に弱いタイヤであり、そこは改善する策はなかなか見つけられていないように思います。そこが10番手と11番手からスタートする選手のレースに作用する重要なポイントとなり、11番手以降の選手にとってタイヤがこのレースでのカギとなりそうです」関連:2018年 F1アブダビGP テレビ放送時間&タイムスケジュール