トロロッソ・ホンダは、F1アメリカGPの決勝レースで、最後列からスタートしたブレンドン・ハートレーが9位入賞でドイツGP以来のポイントを獲得。ピエール・ガスリーは12位で完走を果たした。第18戦F1アメリカGP、決勝レースが10月21日(日)の午後1時10分より行われた。サーキットは、この週末で一番の好天となり、気温も20℃まで上がり、決勝を迎えた。
トロロッソ・ホンダの2台は、パワーユニット(PU)交換のペナルティーのため、最後列グリッドとなり、ピエール・ガスリーが19番手、ブレンドン・ハートレーは20番手。2台はともにスーパーソフトタイヤでスタートした。午後1時10分にフォーメーションラップがスタートし、56周のレースが幕を開けた。1周目、第1コーナーなどで複数のアクシデントが起こったが、ガスリーとハートレーはそれらに巻き込まれることなく通過し、1周終了時にはハートレーが12番手、ガスリーが14番手と大きくポジションを上げた。その後、スピンして追い上げてきたフェラーリのセバスチャン・ベッテルにパスされ、それぞれポジションを落とす。9周目にレッドブルのダニエル・リカルドがコース上にストップし、ハートレーは12番手に戻った。このストップでVSC(バーチャルセーフティカー)が発動され、そのタイミングでガスリーはピットインし、ソフトタイヤに交換、15番手でレースに戻る。同様に上位車のピットインもあり、ハートレーは11番手に上がり、レースは中盤を迎える。20周を過ぎ、各車ピットインのタイミングとなった。ハートレーは、タイヤ交換を引き延ばし、26周目に8番手に上昇する。28周目にハートレーはピットインし、ソフトタイヤに交換すると、15番手でレースに戻った。一方、14番手を走行していたガスリーは、序盤に交換したタイヤの磨耗が進み、ペースを上げられない状況。他車のピットインでガスリー12番手、ハートレー13番手となり、35周目にガスリーとハートレーのポジションが入れ替わり、ハートレーが12番手となった。その直後の37周目、ガスリーは2度目のピットインを行い、ウルトラソフトタイヤに交換、15番手でレースに戻る。40周目、上位車のピットインによってハートレーは11番手になる。ガスリーは15番手からペースを上げて追い上げ、50周目に前車をオーバーテイクし14番手にポジションアップ。ハートレーも一時は後続に迫られたが、終盤自己ベストラップを更新するハイペースで走行し、11番手でチェッカーフラッグを受けた。レース後、上位の選手2人が失格となり、ブレンドン・ハートレーは9位に、ピエール・ガスリーは12位に繰り上がった。ハートレーは、ドイツGP以来のポイント獲得を果たした。F1第19戦メキシコGPはメキシコシティのアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで10月26日~28日に行われる。ブレンドン・ハートレー (9位)「2ポイントを獲得できた今日の自分のレースとパフォーマンスに、とても満足しています! 攻めるべきところで力を発揮できましたし、タイヤのマネージメントもうまくできたと思います。チームがピットから必要な情報を教えてくれていたし、メカニックもピットストップでいい仕事をしてくれました。この結果はすばらしいチームワークのおかげだったと思います。最後尾スタートからの9位フィニッシュは僕たちのできることすべてを発揮できた結果で、今日のレース運びにはとても満足しています。ポイント獲得に至らなかったレースもありますが、ここ最近のレースはどれも手応えを感じていたものばかりだったので、今シーズンの残りのレースにも期待をしています」ピエール・ガスリー (12位)「今日は僕にとって長く、難しい1日でした。19番手からのスタートだったので、決して簡単なレースにはならないと覚悟をしていました。レーススタート直後の大混乱の1周目でデブリを拾ってしまい、フロアに少しダメージを負ってしまいました。なんとか解決できないかとあらゆることを試したのですが、残りのレースに耐えられるほどのグリップ力はタイヤに残っていませんでした。そこで2ピットストップ作戦を取ることにしたのですが、状況を思ったように改善できませんでした。予選でのペースはとてもよかったので、週末全体ではポジティブな面もあったかと思います。レースを万全な状況で戦うことができずに残念でしたが、このペースのまま次戦のメキシコGPでは予選から争い、チームのためにいい結果で終えられるようにがんばります」フランツ・トスト (トロロッソ チーム代表)「グリッド後方からスタートしたことを考えると、9位という結果はいいものだったと思います。ブレンドンはタイヤマネージメントをうまく行い、後方からの迫るエリクソン選手(ザウバー)からポジションを守り切ってくれました。ピエールは5コーナーでのクラッシュを避けるためコースアウトし、その際にフロント部分をクラッシュしてしまったのが原因で、フロアにダメージを負ってしまいました。その結果ダウンフォースを失い、ブレーキ時にマシンが不安定になる症状に見舞われ、残りのレースではペースを取り戻すことができなかったようです。それにもかかわらず、12位でレースを終えて健闘してくれました。チームとしてこのレースで貴重な2ポイントを獲得できたので、これから次のメキシコGPに向けて前向きに準備していきたいと思います」田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「今週も難しい週末になりました。予選のパフォーマンスは悪くありませんでしたが、結果としてはその速さをレースで見せることができませんでした。ただ、ブレンドン選手は最後尾からスタートして11位と粘りの走りを見せてくれました。最終的に、レース後の裁定によりポイントを獲得できたことはよかったと感じています。パッケージとしてまだ改善が必要だとも感じていますし、残り3戦でチームと一緒にさらに前進していきたいと思います」関連:【動画】 F1アメリカGP 決勝レース ハイライト