トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレー、ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、2018年のF1世界選手権 第15戦 シンガポールGPへの意気込みと舞台となるマリーナ・ベイ市街地コースについて語った。シンガポールGPはタイトなコースと蒸し暑い気候が特徴で、ドライバーの身体能力とマシンの技術力の両方が要求される。チェッカーフラッグが振られ花火が打ち上げられるまで、チーム一丸となって限界に挑戦する。
ピエール・ガスリー「シンガポールGPでの経験は、レッドブル・レーシングのリザーブドライバーとして帯同したことだけです。実際に走ってはいませんがレースは一度見ているので、シンガポールの暑さと湿気のすごさ、そしてナイトレースがどのようなものかについては理解できているつもりです。ここでは午後に起床して明け方に眠りにつきます。普段とは異なるリズムになりますが、ヨーロッパ時間のことは一度忘れて、人工照明の下でのレースに慣れればいいだけなので、そこまでたいへんだとは思っていません。前回、ここに来たときも楽しいと感じていました。湿気が高くジメジメする部分で、ここはドライバーにとってはシーズンを通して最も過酷なレースとなります。走ったことはありませんが、レイアウトを見て、リズムに乗って走れる僕が好きなタイプのトラックだなと思いました。とにかくコーナーが多く、テクニカルなんです。スパとモンツァでは難しいレースになると分かっていましたが、今回のマリーナ・ベイ・サーキットは、データ上では僕たちのマシンとずっと相性がいいはずなので、どんな走りを見せられるか楽しみにしています。レースに向けては暑さ対策もしています。レースウィーク直前まで、服を何枚も着込んで汗をたくさんかいたり、サウナに入るトレーニングを続けていくつもりです。ビデオゲームではお気に入りのサーキットの一つなので、実際にドライブして本物を体験するのが今から待ちきれません」ブレンドン・ハートレー「シンガポールGPで初めて走るのをずっと楽しみにしてきました。僕が話したドライバーはみんな『カレンダーで最も身体的にタフなレースだ』と言っています。コーナーが多いレイアウトや、暑さと湿気がすごいこともその理由の一つでしょう。ナイトレースはル・マンなどで何度か走った経験がありますが、雨にならない限りは照明がそんなに気になることはないはずです。歴史的に、トロロッソはここでいい成績を残してきています。過去2戦は我々にとって厳しいレースになると分かっていましたが、今回はチームメンバー全員が、我々のマシンがいいパフォーマンスを発揮できるチャンスがあると言っています。先週はシミュレーターでの走行も行いました。いつも通り半分はエンジニア、もう半分はドライバーのためです。トラックは正確に3Dで再現されているので、あらゆる縁石やバンプについて知る絶好の機会になりました。僕にとっては金曜日にフリー走行で走る前に、いい参考になりました。チームにとっても実際にトラックで走行する前にも何度もセッティングを変えることができるし、それによってドライバーがいいフィーリングを得られているかも確認できるメリットがあります。ただ、もちろん実際のトラックと100%同じというわけではありません。シミュレーターで走っているときは暑さや湿気はありませんし、Gもありませんからね。それでもドライブする上での目印や、どう走っていくかのアイディアを得られたのは大きな収穫になりました。最近は何枚も重ね着してトレーニングしていて、暑さ対策も万全です。そのおかげか今はすごく体調がいいですし、準備もできていると感じています。週末のレースを楽しみにしています」田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「今回のレース開催地となるシンガポールは、高温多湿な気候とナイトレースと言う点が大きな特徴になります。市街地に設置されたコースには23ものコーナーがあり、またその多くは直角に近い低速コーナーです。シーズン中最もシフト回数が多く、コーナー立ち上がりでのドライバビリティーがパワーユニットとしては重要なポイントとなります。高温多湿、ナイトレース、息をつく暇もないコースレイアウトなど、ドライバーにとってはたいへんタフなレースとなります。2人のドライバーに十分走り込んでもらい、きっちりとパワーユニットのセッティングを整えた上で決勝に臨みたいと思います。思い起こすとちょうど1年前、この地でホンダとトロロッソとのパートナーシップに関する発表を行いました。それからあっという間に時間が過ぎましたが、ここまで彼らとは互いにリスペクトを払いつつ、強固な信頼関係を築くことができています。まだまだ我々の目指すところには及びませんが、バーレーンやハンガリーなど、いくつかのいいレースを見せられており、正しい方向に向けて着実に前進していることを実感しています。ここまでの結果から、このサーキットは我々のパッケージに合っていると考えていますので、ここでもまた一つ、いい成績を残すことができればと思っています。また、最後になりますが、先週相次いで発生した台風21号、および北海道胆振東部地震においてお亡くなりになられた方々に、チームを代表してお悔やみを申し上げるとともに、被災されたすべての皆さまにお見舞い申し上げます。被災地の一刻も早い復旧を願うとともに、少しでも皆さまを勇気付けられるようなレースを見せられればと考えています」関連:2018年 F1シンガポールGP テレビ放送時間&タイムスケジュール
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