トロロッソは理論的にはレッドブル・レーシングのジュニアチームだが、独自性をもった開発を行ってきた。しかし、両チームがホンダのF1パワーユニットを搭載する2019年は2チームのコラボレーションは拡大していくことになる。トロロッソは昨年9月に2018年からホンダのF1パワーユニットを搭載することを発表。チームとして初めてワークスパートナーを迎えた今季は、ホンダと密接な作業関係を築き上げてパフォーマンスを向上させている。
だが、2019年からは親チームであるレッドブル・レーシングもホンダのF1パワーユニットを搭載することが決定している。かつて2017年も両チームが同じルノーのカスタマーパワーユニットを搭載していたことはあったが、レッドブル・テクノロジーを中心にホンダとのワークスパトナーシップを本格化する来季は、エンジンに合わせたギアボックスを始めとしたリアエンドだけでなく、フロントサスペンションといった多くのパーツを共用していくことにある。「来年、我々はレッドブル・テクノロジーと非常に密接な協力関係を進めていくことになる」とトロロッソのチーム代表フランツ・トストは語る。「パワーユニット、ギアボックス、サスペンションなど、レギュレーション(で使用することが許されている)内のすべてだ」「フロントサスペンションもそうなるだろう。外部パーツではなく、内部パーツではあるがね。だが、かなり多くなるだろう。完全なリアエンドということは、油圧機器、電子機器といったすべてのものを意味するからだ」これにより、レッドブル・レーシングとトロロッソは、現在のフェラーリとハースの技術パートナーシップのモデルにかなり近づくことになる。ハースF1チームは、パワーユニット、トランスミッション、サスペンションコンポーネント、油圧機器、電子機器といったレギュレーションで許されている全てのパーツをフェラーリから購入。空力パーツは独自開発が定められている建前上、見た目は異なる方向性を示してはいるが、“白いフェラーリ”と揶揄されるほど酷似したマシンは現在でコンストラクターズ選手権4位をルノーと争うまで競争力を高めている。トロロッソは2006年のデビューシーズン以来、コンストラクターズ選手権を6位以上で終えたことはないが、ホンダのF1パワーユニットのパフォーマンス次第では、ハースとの“ベスト・オブ・ザ・レスト”争いに絡んでくるかもしれない。