トロロッソ・ホンダは、F1スペインGP初日のフリー走行で、ピエール・ガスリーが(10番手/14番手)、ブレンドン・ハートレーが(18番手/18番手)だった。2018年シーズン第5戦スペインGPの初日は、FP1、FP2が行われた。シリーズはヨーロッパに舞台を移し、ウインターテストで走り込みを行ったスペイン・バルセロナ郊外にあるカタロニア・サーキットで戦いを迎えた。
FP1では風が強く、ブレンドン・ハートレーがコースオフを喫する場面もったが、ピエール・ガスリーとともに予定されていたプログラムをこなしながら周回を重ね、ガスリーは10番手、ハートレーは18番手タイムでセッションを終えた。気温も24℃に上昇し、日も差したFP2では、セッション中盤にピエール・ガスリーのマシンがダメージによるフロア交換、ブレンドン・ハートレーのマシンもフロアの修復作業を行った。ともに若干長めのピットインとなり、その後コースに復帰しスーパーソフトタイヤでのアタックを試みたが、そのタイミングはロングランを行っている他車が多く、うまくクリアラップを取ることができなかった。その結果、ピエール・ガスリーは14番手、ブレンドン・ハートレーは18番手のタイムとなっている。アタック後、ガスリーはスーパーソフトタイヤ、ハートレーはミディアムタイヤでのロングランなども行い、プログラムを消化してセッションを終えている。パワーユニットとしては、これまでのデータを基に、エネルギーマネージメントに重点をおいた調整と、サーキット特性に合わせたドライバビリティの調整を行い、トラブルなく初日を終えている。スペインGPは12日(土)の正午(日本時間午後7時)よりFP3、午後3時(日本時間午後10時)より予選が行われる。ピエール・ガスリー (10番手/14番手)「バルセロナでの初日は非常に興味深いものでした。FP1では10番手タイムを記録できたので、なかなかいいスタートを切ることができたと思います。午後のFP2では気温が高く風も強いというコンディションだったのですが、僕らのマシンはこうした環境がやや苦手なようで、苦戦しました。中団争いは非常にタイトなので、バトルがさらに激しくなる明日の予選に向けて、パフォーマンスを高めていく必要があるでしょう。あとコンマ数秒伸ばせれば、明日の予選で10番グリッドを獲得することも可能なはずなので、今夜はそのための準備に取り組むつもりです」ブレンドン・ハートレー (18番手/18番手)「午前のセッションではコースアウトしてしまいましたが、それを除けばバルセロナでの初日は大きな問題のないものでした。FP2ではかなり大きな変更をマシンに施したのですが、うまく機能しませんでした。しかし、正しい方向性を見出すためには変化を試すこともときに必要です。午後のセッションではあまりスピードがありませんでしたが、気持ちはポジティブです。明日の予選ではペースを掴めると思います」ジョナサン・エドルズ (トロロッソ チーフエンジニア)「今日はかなり難しいコンディションになりました。それはどのチームにとっても同じだった様で、多くのマシンがコースアウトしていましたね。その大きな要因としては、非常に強い風が吹いていたことが挙げられるでしょう。カタルニア・サーキットは、コーナーが広く、また通過速度も高いので、少しの風でもマシンが大きな影響を受けてしまいやすいんです。FP1では、ブレンドンがコースアウトし、マシンには大きなダメージがなかったものの、コックピットに石が入ってしまいました。ダメージはほとんどなかったものの、ブレーキペダルの下にも石があり、安全面を考慮して時間をかけて取り除きました。これは残念でした。FP1では、セットアップとウインターテストで試したアイテムのさらなるテストを集中して行いました。ここは、おそらくシーズンを通して最も路面が滑らかなので、ほかのサーキットでは試せないさまざまなセッティングをトライすることができます。ピエールに関しては非常に順調で、午後のFP2にかけてセットアップへの理解を深めることができました。午後のFP2でもコンディションは同様でしたね。ピエールは第9コーナーでコースアウトした際、フロアをひどく傷つけてしまったため、新しいフロアを投入しました。ブレンドンも最初の走行でフロアにダメージを負ってしまいましたが、こちらはセッション中に交換することができました。メカニックはすばらしい仕事をしてくれましたが、マシンのフロア交換とそのほかの修復も行ったため、あまり時間に余裕がなく、スーパーソフトを使っての予選シミュレーションは満足に行うことができていません。それを考慮すれば、現在のタイムはマシンの実力を正確に反映できていない可能性があります。まだマシンのバランスには完全に満足できていないので、今夜はかなり多くの仕事をこなす必要があるでしょう。ロングランでは、これらの問題に対処したことで当初の予定より少し短めのシミュレーションとなりました。走行中に集めたデータを見ると、ソフトタイヤはかなりうまく機能しているようです。これから、レースに向けた最適の戦略を確立させていきます」田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「難しい週末になった過去2戦からのフィードバックもあり、我々のパッケージはここスペインで徐々に機能してきたように感じます。マシンのダメージにより、やや長いピットストップはありましたし、風が強く難しいコンディションではあったものの、おおむね問題なくプログラムを消化できた一日でした。ただ、午後のセッションではトラフィックの影響により、クリーンな状況下でタイムアタックができなかったことは残念です。このサーキットではオーバーテイクが難しく、予選が重要になるので、PU側も明日の予選を重視したセッティングで挑むことになると考えています」関連:・F1スペインGP フリー走行2回目:ルイス・ハミルトンがトップタイム・F1スペインGP フリー走行1回目:バルテリ・ボッタスがトップタイム