例年より早い時期に、300kmという距離で戦われたSUPER GT鈴鹿ラウンドで、平川 亮/ニック・キャシディ組のKeePer TOM'S LC500 1号車が3位表彰台を獲得。中嶋 一貴/関口 雄飛組 au TOM'S LC500 36号車が終盤関口の猛追で5位フィニッシュを果たした。GT300クラスではLEXUS RC F GT3に初のポールポジションをもたらした新田 守男/中山 雄一組 K-tunes RC F GT3 96号車がポール・トゥ・ウィンで今季初勝利を飾った。
SUPER GT第3戦「SUZUKA GT 300km Fan Festival」が5月19日(土)、20日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。毎年真夏の1000kmレースとして行われてきたSUPER GTの鈴鹿ラウンドですが、今年は春、300kmでの開催に。例年に比べ低い気温、短い距離、そして少なめのウェイトハンデなどにより、これまでとは異なる、ハイスピードで激しいバトルが繰り広げられた。予選19日(土)は好天に恵まれたが、鈴鹿名物の観覧車が稼働停止となるほどの強風が吹き荒れ、やや肌寒い一日となった。午後2時35分、気温20度、路面温度36度というコンディションの下で、ノックアウト方式の予選が行われた。先に行われたGT300クラスのQ1で赤旗が出された影響により、GT500クラスのQ1(15分)は予定より10分遅れの午後3時5分に開始。セッションが5分ほどを過ぎたあたりから各車コースに向かい始めた。最終コーナー側から1コーナーへ向けて吹く強風に乗り、各車メインストレートでの最高速が伸び、また、1コーナーを折り返してからのS字コーナーは向かい風となることでダウンフォースが増し、こちらもタイムアップの要因に。また、低い気温、軽いウェイトハンデも奏功し、アタックした15台全車が昨年までのコースレコードを更新するという、ハイレベルなQ1となった。僅差のタイム合戦で鈴鹿をホームコースとするNSX勢が速さを見せる中、キャシディがQ1を担当した1号車がこの中に割って入る5番手。36号車を駆る中嶋 一貴が7番手となり、トムスの2台のみがQ2へと進出することとなった。Q2への進出は、当落ラインとなる8番手から12番手まで、5台がコンマ2秒の中に入るという僅差の争いとなり、WedsSport ADVAN LC500 19号車、ZENT CERUMO LC500 38号車はコンマ1秒ほどの差で9、10番手となり、惜しくもQ2進出を逃すことに。DENSO KOBELCO SARD LC500 39号車が13番手、今大会、フォーミュラE参戦のために欠場するフェリックス・ローゼンクヴィストに代わって出場するジェームス・ロシターがアタックしたWAKO'S 4CR LC500 6号車は14番手でグリッドが確定した。Q2では1号車の平川が4番手のタイムをマークし2列目グリッドを確保。36号車は途中でアタックを諦め、8番手グリッドからスタートを切ることとなった。GT300クラスでは、Q1の残り2分ほど、各車最後のアタックに入っている最中にクラッシュが発生しセッションは赤旗中断に。この時点で、新田がアタックしていた96号車は2番手の好タイムをマークしていたが、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車、arto RC F GT3 35号車、2台のプリウスはまだアタックを終えていなかった。セッション残り6分でQ1が再開されると、吉本 大樹の60号車は一発アタックでコースレコードを更新するタイムをマークし8番手でQ2進出。しかし2台のプリウスはタイムを伸ばせず、TOYOTA PRIUS apr GT 30号車が19番手、TOYOTA PRIUS apr GT 31号車が21番手。35号車は27番手でグリッド確定となった。Q2では、宮田 莉朋が担当した60号車がまずトップタイムをマーク。それをライバル勢が更新していく中、96号車の中山 雄一がこれまでのコースレコードを2秒近く短縮する、圧倒的なタイムをマーク。このタイムは誰にも上回られることなく、中山 雄一にとってはキャリア2度目、RC F GT3にとっては初となるポールポジションを獲得。鈴鹿サーキットでは、GT3車両での初のポールポジション獲得となった。宮田が健闘を見せた60号車も5番手の好位置から決勝レースに臨むこととなった。決勝20日(日)は朝から好天。前日の強風も止み、日差しには暑さを感じるほどの気候となった。計時システム調整のため40分程予定より遅れた午後3時20分、気温21度、路面温度34度というコンディションの下、三重県警の白バイとパトカーの先導による交通安全啓発パレードラップとフォーメーションラップを経て、52周の決勝レースがスタートした。4番手スタートの1号車キャシディは、2位の車両がやや遅れて詰まった隙を突き、3位へ浮上。更に前を行く2台のNSXに離されることなく、追走を続けた。13周目、最後尾の15位まで順位を落としていたヘイキ・コバライネンの39号車がデグナーカーブ出口でスピンし、クラッシュ。戦線離脱を余儀なくされ、レースはセーフティカーが導入されることとなった。車両排除の後、隊列を整えて19周目にレースは再開。再スタート直後のストレートから1コーナーの進入で1号車のキャシディは前を行くNSXをパス。2位へと浮上した。8位を走行していた中嶋 一貴の36号車は、他車との接触がありコースオフ。すぐに復帰したもののの大きくポジションを落としてした。24周終了時に、首位を行くNSXと同タイミングで1号車もピットインし、キャシディから平川へとドライバーを交代。そのままの順位でコースに復帰したが、平川の1号車はアウトラップでタイヤを暖めるのに苦戦し、先にピットインしていたNSXの先行を許し、3位へとポジションを落とした。中盤、各車が次々にピットへと向かう中、最後までピットインを遅らせた36号車は、29周終了でピットイン。関口へと交代。一旦は13位まで大きく順位を落としたが、関口は他車よりも圧倒的に速いペースで猛追を開始。次々に前車をパスし、ポジションを取り戻して行った。40周目に6位までポジションを上げた36号車関口は、14秒以上あった前車との差をみるみるうちに詰め、49周目にはテール・トゥ・ノーズに。スプーンコーナーからバックストレートで並ぶと、高速コーナー130Rでパス。5位へと浮上した。勢いに乗る36号車関口は、更に4位を追い、ファイナルラップのシケイン進入で並びかけましたがコースオフ。惜しくも逆転はならず。それでもファイティングスピリット溢れる走りで最後まで観客を沸かせた。1号車の平川は前の2台には届かなかったものの、4位以下には大差をつけて3位でチェッカー。開幕戦に続く今季2度目の表彰台を獲得した。観客を沸かせた関口の36号車は5位でフィニッシュ。38号車が8位でポイント獲得を果たした。GT300クラスでは、ポールポジションの96号車を駆る新田がスタートから首位をキープし、後続との差を広げていっ...
全文を読む