2023年 SUPER GT第4戦の決勝レースが8月6日(日)に富士スピードウェイで行われ、雨が降ったり止んだり、さらにアクシデントによる中断もあった中、GT500クラスは、No.3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)が終盤にトップに立つとそのまま逃げ切って優勝を飾った。GT300クラスは予選3位のNo.11 GAINER TANAX GT-R(富田竜一郎/石川京侍/塩津佑介)が勝利を決めた。
決勝レースのスタート前に降った雨により、レースはセーフティカー先導で幕を開けた。その後も目まぐるしく変わる天候とアクシデントによる中断もあり何度もトップが入れ替わる波乱の戦いとなった。そうした中、序盤から目覚ましい速さを見せたのがNo.3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)だ。予選4位からスタートした3号車の千代は、追い越しが可能となった3周目に一気に2位に浮上すると、4周目には早くもポールポジションスタートの24号車を捉えてトップに躍り出る。その後天候の回復により後続車が次々にスリック(ドライ路面用)タイヤに交換する中、15周目までコースに留まった3号車は一時4位まで後退した。だが、GT300車両の火災により一時中断となったレースが再開されるタイミングで、また雨が強く降る。ここで安全のためレインタイヤへの変更が許された。最初のスタートでも注目されたが、3号車が履くミシュランタイヤは雨での速さに定評がある。このリスタート後は72周目に3位、74周目には一気にトップを奪いかえすと、その後は後続に全く付け入る隙を与えず、最後は2位に45秒244もの大差をつけて100周を走りきり、今季初優勝を挙げた。2、3位はレース終盤にこちらも目覚ましい追い上げを見せた2台のHonda NSX-GT 、No.16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)とNo.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)だった。だがレース後、この2台にピットイン時の作業違反があったことが判明して、レース結果に40秒が加算となる。これで2位はNo.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/太田格之進)に、16号車は3位に。100号車は6位に順位を下げた。またTOYOTA GR Supra GT500勢では、第2戦富士の勝者、No.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)が奮闘。予選15位と最後尾スタートなからしぶとい追い上げを見せ、GR Supra勢の最上位となる5番手でゴール。100号車のペナルティもあって4位に繰り上がった。GT300クラスは、ポールポジションのNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)が雨のスタートで出遅れ、No.11 GAINER TANAX GT-R(富田竜一郎/石川京侍/塩津佑介)が一時トップに立つ。その後に路面が乾いてからは、4号車が再びトップに立ち、レースをリード。だが4号車は終盤、ドライタイヤに替えた直後に痛恨のコースアウト。対して11号車の富田は、レインタイヤで走る上位を相次いで抜いていき、劇的な勝利を挙げた。2位は前戦優勝のNo.7 Studie BMW M4(荒聖治/柳田真孝)。そして3位はNo.6 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン/神晴也)で、嬉しい初表彰台だった。GT500No.3 Niterra MOTUL Z千代勝正「雨でのスタートでしたが、今回もミシュランのウエットタイヤが素晴らしくて自信を持って行けました。途中、天気の変化が読めない中で(路面が)ドライでのレースは厳しい展開でしたが、最後もウエットになり、高星選手がしっかり(トップを守って)走ってくれました。それにチームの戦略も良く、皆ががんばった結果です。前戦鈴鹿はいろいろありましたが、今回は文句を言われない優勝ができてうれしいです」高星明誠「僕らの使うミシュランタイヤの得意とする、雨に強いところを存分に活かす走りをしてライバルを圧倒できたので、素直に嬉しく感じます。2度目の再スタートがドライだったらどうかは分かりませんが、それでも昨日の予選も良かったですし、そういう意味ではドライでもウエットでもどちらでもパフォーマンスは出せたし、まあ雨になって楽にはなったとは思いますね(笑)」GT300No.11 GAINER TANAX GT-R富田竜一郎「スタートからいろいろと波乱があって、非常に難しいレースでした。その中で(石川)京侍君が良いドライブをしてくれました。(自分が担当した後半も)チームがドンピシャのタイミングでドライタイヤへの変更を決断してくれたので、最後数周でトップを抜くことができて優勝できたのが本当に嬉しいです」 石川京侍「(決勝スタートは)ウエットタイヤを履いての出だしは良かったのですが、すぐに抜き返されてしまって。でもトップ2について行けたので、このまま行ったらなんとかなるだろうと思いました。今回、富田さんが凄く乗れているんで(後半は)行ってくれると思っていました」
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