富士スピードウェイでSUPER GTの今季最終戦が行われ、関口 雄飛/坪井 翔組 au TOM'S GR Supra 36号車が今季初優勝。GR SUPRAがトップ5を独占する速さを見せ、関口/坪井組36号車は16点差を跳ね返しての大逆転シリーズチャンピオンを獲得した。GT300クラスでも吉本 大樹/河野 駿佑組 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT 60号車が勝利を飾り、2021年シーズンをGR SUPRA両クラス制覇という有終の美で締めくくった。
SUPER GT第8戦「FUJIMAKI GROUP FUJI GT 300km RACE」が11月27日(土)、28日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催された。全8戦で争われる2021年シーズンのSUPER GTも最終戦を迎えた。今季のGR SUPRA勢は、開幕戦でトップ4を占めるなどシーズン序盤戦は速さを見せたものの、その後はサクセスウェイトの重さに苦しむ展開が続いた。この最終戦ではポール・トゥ・ウィンで最大21ポイント獲得が可能なため、チャンピオン獲得の可能性を残すのは、首位と16ポイント差の5位につける関口/坪井組 36号車と、同20ポイント差の大嶋 和也/山下 健太組 ENEOS X PRIME GR Supra 14号車。どちらもややポイント差が大きく、厳しい戦いとが、サクセスウェイトが全車ゼロとなりイコールコンディションで争われるこの最終戦。「ホーム」富士で今季の締めくくりを好結果で終えるべく、GR SUPRA勢全チームが気合いを込めて臨んだ。今大会も新型コロナウイルス感染拡大防止策を十分に配慮した上で、有観客で開催された。イベント広場には「TGRブース」が開設され、レゴブロックで再現されたレゴトヨタGRスープラ実物大レプリカ、実車のGR SUPRAに加え、先日発表された新型BEV「bZ4X」も展示され、集まったモータースポーツファンの皆様の注目を集めていた。予選27日(土)は好天に恵まれたものの、11月末の寒さの中でノックアウト方式の予選が行われた。午後2時半、気温は10度、路面温度12度というコンディション。Q1ではセッション開始と同時に先陣を切ってコースインしたDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車の中山雄一がこれまでのコースレコードを破るタイムで2番手につけると、ZENT CERUMO GR Supra 38号車の石浦宏明がこれをかわし2番手に。逆転タイトルを目指す36号車は関口のアタックで5番手、14号車は大嶋が7番手。KeePer TOM'S GR Supra 37号車のサッシャ・フェネストラズは8番手に入り、GR SUPRA勢は5台がQ2進出。WedsSport ADVAN GR Supra 19号車は国本雄資の健闘叶わず11番手となった。Q2では各車さらにタイムアップしての激しい争いとなった。37号車を駆る平川が1分25秒台に入れ、その時点での2番手につけ、さらにタイムアップを目指したが最終ラップでの更新はならず。一方で、最後までアタックを遅らせた山下の14号車が、最後の最後に山下自身が昨年記録していたコースレコードを大きく上回るトップタイムをマーク。ポールポジションによる1ポイントを獲得し、逆転タイトルへの可能性を残して決勝に臨むこととなった。Q2は僅差の争いとなり、37号車が3番手、坪井の36号車が4番手、ヘイキ・コバライネンの39号車が5番手、立川祐路の38号車が7番手。ここまでのトップ7台が約コンマ5秒差で、全車従来のコースレコードを更新するという激戦の予選となった。GT300クラスは、Q1は2グループに分けて実施。A組では埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車が吉田広樹のアタックでトップ通過を果たした。B組は混戦となった。セッション終盤に激しく順位が入れ替わる展開の中、第2戦の富士大会で優勝を飾っている60号車が河野のアタックで2番手。逆転タイトルの可能性を残すたかのこの湯 GR Supra GT 244号車は三宅淳詞が4番手につけてQ2進出。早い段階で好タイムをマークしていた織戸学のTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 30号車が5番手、ジュリアーノ・アレジのarto RC F GT3 35号車が6番手で前戦に続きQ2進出。一方でK-tunes RC F GT3 96号車は阪口晴南の健闘及ばず10番手、第6戦オートポリスで初優勝を飾ったTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 31号車も11番手でQ1敗退となった。 Q2では川合孝汰の52号車が好走を見せ暫定トップに立ちますが、ラストアタックでライバルにかわされ、それでも最前列2番手グリッドを獲得。吉本の60号車が3番手、堤優威の244号車は9番手、35号車が10番手、30号車が16番手から決勝レースに臨むこととなった。決勝28日(日)も雲一つ無い快晴に恵まれた。決勝前には、エアレースパイロットの室屋義秀氏によるフライトパフォーマンス、『"Challenge for the future" Yoshi MUROYA × LEXUS Special Flight@ FUJI SPEEDWAY』が実施。このデモフライト時のメインストレート上では、先日世界耐久選手権(WEC)勇退を発表した中嶋一貴がLC500コンバーチブルで先導走行を務める中、スーパー耐久に参戦している水素エンジン搭載の「ORC ROOKIE Corolla H2 concept」、NSX(HEV)、EVレーシングカーの「NISSAN LEAF NISMO RC」によるデモ走行が実施され、集まったモータースポーツファンの皆様を沸かせた。そして午後1時、気温13度、路面温度22度のコンディションの下66周で争われる決勝レースのスタートが切られた。ポールポジションの14号車は大嶋のドライブで順調なスタートを切り首位をキープ。その後方では、逆転タイトルには優勝しかない36号車の関口が、2列目4番手からチームメイトの37号車をかわし3位へと順位を上げると、その勢いのままに前を行くライバルもかわし2位へ。翌周にはフェネストラズの37号車もライバルをかわし、2周目にして早くもGR SUPRAが1-2-3体制となった。3周目には11番手スタートから9位へと順位を上げていた国本の19号車が、他車の接触に巻き込まれスピン。順位を落とすと共に、車両にもダメージを負ってしまった。36号車同様に逆転タイトルへ向け優勝しかない14号車大嶋は、序盤からハイペースで周回を重ね、6周目を終えたところで2位との差は4秒まで広げた。しかし、7周目にGT300クラスの車両が接触でコース脇にストップ。この車両回収のためにセーフティカーが導入され、14号車が築いたマージンは帳消しとなってしまった。13周目にセーフティカーが退去し再スタートが切られると、トップ3のGR SUPRAは団子になったままTGRコーナー(1コーナー)へと進入。このバトルを制した36号車が首位を奪取、続くヘアピンでは37号車も14号車をかわし、36号車、37号車、14号車へと順位が入れ替わった。今度は代わって首位に立った36号車の関口がハイペースで逃げる展開となり、後続との差を広げていくこととなった。3位の14号車は、タイ...
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