2021年度SUPER GTシリーズ第4戦が7月17日(土)・18日(日)、ツインリンクもてぎ(栃木県)で開催され、GT500クラスに5台のNSX-GT、GT300クラスに3台のNSX GT3が出走した。鈴鹿サーキットで予定されていたシリーズ第3戦が、新型コロナウイルス感染拡大を受けて8月に延期されたため、今回が第2戦に続くレースとなる。
日曜日は前日に引き続き晴天となり、気温、路面温度ともに急上昇して猛暑となった午後1時16分、63周のレースがスタートした。ポールポジションの#1 STANLEY NSX-GT(牧野)はポジションを守ってレースを始めたが、7周目、後続の#19にオーバーテイクを許し2番手へ後退した。#1 STANLEY NSX-GT(牧野)は少しずつギャップを開かれながらも2番手を守り、24周を走ってドライバー交代のためピットインした。レースに復帰した#1 STANLEY NSX-GT(山本)は、トップを走行していた#19が28周目にドライバー交代を行った際、ピット作業に手間取って遅れる間に順位を入れ替え、約4秒の差でトップに立った。しかし、2番手に後退した#19のペースは速く、ギャップは徐々に縮まって37周目には0.2秒差のテール・トゥ・ノーズにまで迫られた。その後、GT300車両の火災などアクシデントの処理のためオーバーテイクが禁止となるFCY(フルコースイエロー)が2回にわたり発動し、トップの座を守ったまま終盤戦に持ち込んだ。レースが残り10周になると#19が再び背後まで迫ってきたが、#1 STANLEY NSX-GT(山本)は巧妙なライン取りでポジションをキープ。その後は逆にギャップを開いて突き放し、残りのレースを走りきって優勝のチェッカーフラッグを受けた。4位には#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原/大湯)、5位には予選9番手からスタートした#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が入賞しそれぞれ選手権ポイントを獲得した。佐伯昌浩 (株式会社本田技術研究所 Honda GT プロジェクトリーダー)猛暑の中、タイヤがカギになるレースになると思っていました。ここで勝てたのはポールポジションを取った山本選手と牧野選手のがんばりがあったからです。第2戦からの長いインターバルでは、通常なら手を入れない細かい場所も見直して積み重ね、クルマ全体の底上げをしましたが、その結果が出たとも思います。ただし、今回はトラブルが出てしまったクルマもあったので、鈴鹿でのレースまでにもう一度クルマを徹底的に見直すつもりです。(2018年以来)鈴鹿では勝てていないので、いい結果を出すために取り組みます。山本尚貴(TEAM KUNIMITSU)会心の勝利だったと思っています。自分の思い描いていた理想の展開に持ち込み、その描いた通りに結果を得ることができました。正直なところ、19号車の前に出られるとは思っていませんでした。すぐ追いつかれてしまいましたが、ここはがんばりすぎず、引きつければ相手もダウンフォースが抜けるだろうしタイヤの温度も上がるだろうと考えて、要所要所で危ないところはあったものの、そこはしっかりと押さえて走りました。今回の結果でランキング上位につけることができました。いまのルールだと(開幕戦で欠場した)牧野選手と2人でタイトルを獲ることはできないのですが、チームとして連覇を狙うためにがんばります。鈴鹿は事前テストで調子のよかったサーキットなので、しっかり狙っていきます。牧野任祐(TEAM KUNIMITSU)ポール・トゥ・ウインという自分たちの狙っていた結果を残せて本当によかったです。レース前半を担当し、少し厳しい部分があったのですが落ち着いて走ることができましたし、後半に向けて自分としてできることもできました。あとは(山本)尚貴さんのおかげで勝つことができました。チームの皆さんにも、すばらしい作業で送り出してくれたことを感謝しています。シリーズに関しては、ウエイトが載ってからが勝負だと思うので、しっかり踏ん張ってチームがチャンピオンシップ連覇できるようお手伝いができたらと思います。
全文を読む