2021年のSUPER GTの第2戦が富士スピードウェイで500kmの長丁場で行われ、フルコースイエロー(FCY)が3度もでる波乱のレースで、サクセスウェイトをはねのけた大嶋 和也/山下 健太組 ENEOS X PRIME GR Supra14号車が2位、平川亮/阪口 晴南組 KeePer TOM'S GR Supra37号車が3位で2台が表彰台を獲得。GT300クラスも終盤まで僅差のバトルとなったが、吉本 大樹/河野 駿佑組 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT 60号車が勝利を飾った。
SUPER GT第2戦「たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE」が5月3日(月)、4日(火)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催された。昨年は開幕が遅れ、レース距離も短縮されたこともあり、恒例だったゴールデンウィーク中の富士大会、そして500kmレースの開催は2年ぶりとなる。今大会よりコース上でのアクシデントに対する安全対策として、これまでのセーフティカーに加え、FCYが初めて導入される。FCY導入時は、コースを走行する全車両の速度が80km/hに制限。このFCY導入により、よりエキサイティングなレースとなることが予想される。前戦の開幕戦岡山大会では、GRスープラがトップ4を独占する速さを見せ圧勝した。前戦の結果によりサクセスウェイトが課せられるが、500kmという長丁場のレースということもあり、トヨタ勢にとってホームコースである富士での活躍に期待がかかった。今大会も新型コロナウイルス感染症の拡大防止策を十分に配慮した上での開催となったが、富士スピードウェイは2日間にわたって好天に恵まれ、イベント広場では、新型のGR 86とスバルBRZが並べて展示され注目を集めるなど、待ちに待ったファンの皆様が本格モータースポーツシーズンの到来を満喫したイベントとなった。予選3日(月)午後2時半よりノックアウト方式の予選が行われた。この日は朝から好天に恵まれたが、午後になってやや雲がかかり、気温16度、路面温度24度のコンディション。Q1は、まずZENT CERUMO GR Supra38号車を駆る石浦宏明が1分27秒台に入れると、各車が僅差でこのタイムを塗り替えていく展開に。チェッカーが振られた直後にフィニッシュラインを通過した山下の14号車が、最大40kgのサクセスウェイトをはねのけてのトップタイムをマーク。そして開幕戦で山下との激戦を繰り広げた坪井翔のau TOM'S GR Supra36号車がこちらも30kgのサクセスウェイトにも関わらず3番手で続いた。4番手に平川の37号車、タイムを更新した石浦は5番手。国本雄資のWedsSport ADVAN GR Supra19号車が6番手、中山雄一のDENSO KOBELCO SARD GR Supra39号車が7番手に入り、上位8台によるQ2へと、GRスープラは6台全車が進出を決めた。Q2では、まず38号車の立川祐路がQ1でのトップタイムを上回る好タイムをマークしトップに。しかし、午前中の公式練習走行でトップタイムをマークし好調な19号車を駆る宮田莉朋が、コースレコードタイムにコンマ1秒まで迫る1分26秒台に入れてトップを奪った。立川はさらにタイムを更新したが、19号車には届かず。ライバルが最後に宮田のタイムに1000分の3秒差まで詰め寄ったが、19号車のトップは変わらず、19号車が2016年の第6戦ブリーラム(タイ)大会以来5年ぶりとなるポールポジションを獲得した。宮田にとってはGT500クラスで初めてのポールポジション獲得となる。38号車が3番手、関口雄飛がアタックした36号車が4番手、今大会もシリーズエントリーのサッシャ・フェネストラズが入国制限により欠場のため、代役で阪口晴南がドライブした37号車が5番手、14号車の大嶋は6番手、39号車のヘイキ・コバライネンが8番手につけ、決勝レースに臨むこととなった。GT300クラスでは、Q1を2クラスに分けて実施。A組では埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車の吉田広樹が4番手、TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 31号車の中山裕貴が5番手に入り、Q2へと進出。TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 30号車の織戸学は、Q2進出ラインの8番手と僅か0.054秒差の9番手、たかのこの湯 GR Supra GT 244号車の三宅淳詞も、コンマ2秒ほど及ばず僅差のQ1で敗退となった。B組では60号車の河野がトップタイム。K-tunes RC F GT3 96号車の新田守男が7番手でQ2へ進出。前戦に続き今大会もシリーズエントリーのナタポン・ホートンカムの代役としてarto RC F GT3 35号車をドライブするジュリアーノ・アレジは後半タイム更新できず11番手でQ2進出を逃した。Q2では吉本がアタックした60号車が3番手、川合孝汰の52号車が4番手につけ、GRスープラが2列目グリッドに並ぶことに。嵯峨宏紀の31号車は10番手、GT500クラスに代役参戦している阪口晴南に代わり96号車をドライブする平良響は13番手となった。決勝4日(火)は雲一つ無い好天に恵まれ、気温21度、路面温度35度で、やや暑さも感じるコンディションとなった。午後2時半、2周のフォーメーションラップに続き、500km、110周という長丁場で競われる決勝レースのスタートが切られた。ポールスタートの19号車宮田はスタートでやや遅れ、3ワイドでTGRコーナー(1コーナー)へと進入。石浦の38号車が一旦2位へと浮上するが、2コーナーで坪井の36号車がこれをかわし、2位へ。1周目を終えた時点で36号車坪井が2位、38号車石浦が3位、37号車平川が4位、14号車山下が5位、19号車宮田が6位。コバライネンの39号車は10位へと順位を落とした。3周目にエンジンブロー車両があり、セーフティカーが導入。7周目に再スタートが切られると、このチャンスに2位の36号車坪井が抜群の再スタートでトップと並び、2コーナーで首位を奪った。その後方では、3位の38号車石浦に、4位の14号車山下が迫り、16周目のダンロップコーナーに2台が並走して進入、このバトルを制した14号車山下が3位にポジションを上げた。38号車石浦はその後ペースが落ち、21周目には37号車の平川が先行。そして、31周目には最終コーナーを立ち上がったところで、38号車の左リアタイヤが脱落。38号車は3輪のままピットへと向かったが、ダメージが大きくそのままリタイア。コース上に脱落したタイヤを排除するため、SUPER GTとして初めてのFCYが導入された。30周台後半になり各車1度目のドライバー交代と給油、タイヤ交換のためにピットイン。FCY直前のタイミングでピットインし順位を上げた車両に続き、関口へと代わった36号車が2位、大嶋の14号車が3位、阪口の37号車が6位、国本の19号車が9位、中山雄一の39号車が10位で中盤戦に入った。48周目にこの日2度目のFCYが導入され、再スタート時には首位と2位の36号車は15秒ほどの差があったが、36号車の関口は、60周を過ぎたあたりから猛追を開始し、首位...
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