スーパーフォーミュラの第6戦がスポーツランドSUGOで行われ、2番手からスタートで首位に立った関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がレースを支配し、今季2勝目。昨年に続きSUGOでの2年連続勝利を飾った。様々な作戦での戦いとなる中、好走を見せた中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)が3位に入り、開幕戦以来の表彰台に上った。
24日(日)は朝から好天に恵まれ、やや暑さも感じるほど。午後2時10分、気温26度、日差しに照らされた路面温度は41度というコンディションで、68周で争われる決勝レースのスタートが切られた。ポールポジションのニック・キャシディ(KONDO RACING)がスタートを失敗。5位へと順位を落としてしまう波乱のスタートに。これで2番手グリッドの関口雄飛が首位に浮上すると、1周目から一気に後続を引き離しにかかり、2周目には2位との差は1.8秒に。その後方にはアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)、3ポジションアップの中嶋一貴、ニック・キャシディと続き、同じくスタートで出遅れた小林可夢偉(KCMG)をかわしたヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、好ダッシュを決めた国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)と続いた。3,4位につけるアンドレ・ロッテラーと中嶋一貴は2位のピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)を追走していたが、7周目にアンドレ・ロッテラーが1コーナーでコースオフを喫し、中嶋一貴が3位へ。9周目終了でヤン・マーデンボローが早くもピットイン。翌周にはアンドレ・ロッテラーもピットに向かった。しかし、アンドレ・ロッテラーはここでピットロード速度違反を取られドライブスルーペナルティ。また、4位を走行していたニック・キャシディも、スタート時の手順違反としてドライブスルーペナルティが科され、共に優勝争いからは脱落してしまった。レースは前半ピットに入ったヤン・マーデンボローらと、上位を走り続け後半にピットインすると考えられる関口雄飛、中嶋一貴ら、そして、無給油作戦の可能性が出てきた小林可夢偉、フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)らという、3つの戦略に分かれ、それぞれが車両間のタイム差とラップタイムを計算しながら、見えない相手とのバトルを繰り広げることとなった。ランキング首位につける石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)は、8番手スタートから14位へと大きく遅れたが、ファステストラップを更新しながらの猛追を続け、中盤には燃費走行を続ける小林可夢偉、フェリックス・ローゼンクヴィストらもパス。レースは首位の関口雄飛が42周終了時にピットへ向かい、他の上位勢は残り10周前後でピットへ。関口雄飛が首位に復帰、58周目にピットインした中嶋一貴は、ガスリーと小林可夢偉の間でピットアウト。関口雄飛は3秒ほどの差で首位を逃げる一方、2位ガスリーの後にそれぞれ1秒ほどの差で中嶋一貴、小林可夢偉、フェリックス・ローゼンクヴィスト、国本雄資と続くこととなり、終盤に来て接近戦が再開されることとなった。59周目にピットインした石浦宏明は、8位でコースに復帰したが、猛烈なペースで追い上げ、65周目に7位へ。6位の国本雄資も、燃費走行を続けるフェリックス・ローゼンクヴィストを66周目にパスし5位へとポジションを上げた。不可能だと思われていた無給油作戦。同じ作戦を採っていたライバル車が残り2周で燃料切れに見舞われる中、小林可夢偉とフェリックス・ローゼンクヴィストは最後まで走行。関口雄飛はピット作業トラブルにより終盤燃料が厳しくなりペースを落としたが、トップを守りきってチェッカー。第2戦岡山大会に次ぐ今季2勝目、スポーツランドSUGOでは昨年に続く2年連続勝利を挙げた、中嶋一貴は3位フィニッシュ。優勝した開幕戦以来の表彰台を獲得した。ファイナルラップ、4位を走行していた小林可夢偉は燃料切れに見舞われスローダウン。何とかチェッカーまで走らせたが、国本雄資、フェリックス・ローゼンクヴィスト、石浦宏明の先行を許し7位フィニッシュ。国本雄資が4位、最後まで燃料を持たせ無給油作戦をやり遂げたフェリックス・ローゼンクヴィストが5位、石浦宏明は6位でチェッカーを受け、0.5ポイント差ながらランキング首位の座を守った。関口雄飛 (ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 19号車)スタートでトップに立つことが出来、ガスリー選手に並ばれたがなんとか抑え切れた。朝のフリー走行でクラッシュしてしまい、チームの懸命な修復のおかげでウォームアップは走ることが出来たが、その直後に直りきっていないところが発覚し、グリッド上で車を直してもらうという、結構ドタバタのスタートだった。しかし、チームのみんなが100%の車に戻してくれて、決勝のセッティングも非常に決まっていて勝つことが出来た。ここのところ特に決勝のセットで弱いところがあったのだが、今日はばっちりで、本当にチームに勝たせてもらったレースだ。次戦最終戦は、ボーナスポイントもあり最低でもひとつは優勝しないとチャンピオンの権利はないと思う。去年はポイントリーダーで鈴鹿を迎えて逆転されてしまったので、今年は昨年のリベンジということで、しっかり準備して、優勝を目指す。中嶋一貴 (VANTELIN TEAM TOM'S 37号車)スタートが一番大きかった。一気に3つポジションを上げて、アンドレのミスで3位に上がった。その後はペース的には悪くなかったが、少しずつ関口選手とは離れていくような状況で、前のガスリー選手を追いかけるという展開だった。途中で可夢偉選手が無給油作戦なのでもう少しプッシュしないと先行されると聞かされ、そこからは目の前のラップタイムとの勝負だったのだが、何とか前に出ることが出来た。今年は第2戦岡山以降レースペースで苦労してきて、レースペースも悪ければ戦略もかみ合わないというレースがずっと続いてきたが、前戦オートポリスからレースペースも良くなって、今回は戦略も上手く行った。この調子で最終戦の鈴鹿ももう一度優勝出来るように頑張りたい。例年そうなのだが、(同じ鈴鹿開催の)開幕戦が良かったからと言って最終戦も良いわけでは無いというのが難しいところだ。ただ、少なくとも開幕戦は良かったので、楽しみにしているし、正直失うものは無い状況なので、思い切ってやるだけだ。関連:【スーパーフォーミュラ】 第6戦 結果:関口雄飛が今季2勝目
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