2025年のF1世界選手権 第9戦スペインGPの決勝が6月1日(日)にバルセロナ=カタルーニャ・サーキットで行われ、オスカー・ピアストリが堂々たる勝利を収め、チャンピオンシップリードをさらに拡大した。チームメイトのランド・ノリスとともにマクラーレンによる1-2フィニッシュを達成したが、レース終盤にはマックス・フェルスタッペンとジョージ・ラッセルの接触による波乱もあった。角田裕毅は13位だった。
ポールポジションからスタートしたピアストリは完璧な蹴り出しを見せ、序盤にリードを築いた。一方、ノリスはターン1でフェルスタッペンに先行を許し、2番手から3番手に後退。その後ノリスはフェルスタッペンを抜き返すが、最初のピットストップ後にはフェルスタッペンが両マクラーレンをアンダーカットでかわして首位に浮上した。しかしこの状況は長く続かず、フェルスタッペンは2回目のピットストップを早めに行い、再びピアストリにトップを譲る。この時点でフェルスタッペンが3ストップ戦略を採るのではないかとの見方が強まり、終盤に新品タイヤで追い上げてくる可能性がマクラーレン陣営を警戒させた。セーフティカー再開後に混乱 勝負決めた冷静なピアストリ実際にフェルスタッペンは3ストップ戦略を採用したが、終盤にメルセデスのキミ・アントネッリがマシントラブルでコース脇にストップし、セーフティカーが導入されたことで情勢は一変。これを機に上位勢の多くが再度ピットインした。再スタート後の残り6周のスプリントでは、ピアストリとノリスが後続を引き離し、フェルスタッペンはシャルル・ルクレールに抜かれて3番手から4番手に後退。その後ラッセルと接触し、エスケープロードへ押し出された。無線でポジション返上を指示されたフェルスタッペンだったが、再びラッセルと接触。このアクシデントにより、フェルスタッペンには10秒のタイムペナルティが科された。前方では混乱なくピアストリがトップでチェッカーを受け、今季5勝目を挙げた。2位にはノリス、3位にはフェラーリのルクレールが続いた。ラッセルは4位でフィニッシュし、キック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグが15番グリッドから5位に躍進する見事な走りを見せた。フェラーリのルイス・ハミルトンが6位、レーシングブルズのアイザック・ハジャーが7位で続き、アルピーヌのピエール・ガスリーが8位。アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは今季初ポイントとなる9位を獲得した。フェルスタッペンはペナルティにより10位に降格した。スタートで好ダッシュを決めたピアストリ、ノリスはターン1でフェルスタッペンに抜かれるも、その後も波乱の展開にレーシングブルズのリアム・ローソンはポイント圏内には届かず11位。キック・ザウバーのガブリエル・ボルトレトが12位、レッドブルの角田裕毅は13位でフィニッシュした。母国グランプリとなったウィリアムズのカルロス・サインツは厳しいレースとなり14位。アルピーヌのフランコ・コラピントが15位となった。ハース勢のエステバン・オコンとオリー・ベアマンはそれぞれ16位と17位で完走。アントネッリとウィリアムズのアレックス・アルボンはリタイアとなった。なおアルボンはフロントウイングを損傷してのリタイアだった。土曜夜にアストンマーティンからランス・ストロールの欠場が発表され、手首の痛みが悪化し手術が必要とのことで、決勝は19台で争われた。2025年F1 スペインGP 決勝 順位・結果1.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)2.ランド・ノリス(マクラーレン)3.シャルル・ルクレール(フェラーリ)4.ジョージ・ラッセル(メルセデス)5.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)6.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)7.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)8.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)9.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)10.マックス・フェルスタッペン(レッドブル)11.リアム・ローソン(レーシングブルズ)12.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)13.角田裕毅(レッドブル)14.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)15.フランコ・コラピント(アルピーヌ)16.エステバン・オコン(ハース)17.オリバー・ベアマン(ハース)DNF.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)DNF.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)