2025年F1スペインGPに先立ち、地元スペイン出身のフェルナンド・アロンソ、メルセデスのジョージ・ラッセル、そしてレッドブル・レーシングの角田裕毅が記者会見に登壇した。母国グランプリを迎えるアロンソは、2026年に向けたアストンマーティンの体制強化とエイドリアン・ニューウェイとの初の現場協働に言及。バルセロナでの継続開催を望む姿勢や、現代F1におけるモナコGPへの過度な期待への冷静な見解も語った。
一方、ラッセルはモナコでの“トラックカット”騒動について率直に反省しつつ、「F1の中のモナコ」という存在の価値を肯定。角田裕毅はレッドブル加入から6戦を経ての適応状況を語り、「自信を失ったわけではない」と着実な前進を強調。マックス・フェルスタッペンとの比較を避けつつ、自身の進化に集中している姿勢を見せた。Q:フェルナンド、まずはあなたから。昨夜のファンフォーラムでは素晴らしい歓迎を受けていました。ここでは優勝2回、表彰台7回という成績を残しています。このレースが他と違う特別な理由は?フェルナンド・アロンソ:やっぱりホームグランプリだからね。どのドライバーにとっても、母国の観客の前で走るのは特別なんだ。友人や家族もグランドスタンドやパドックに来るしね。だから、ホームではいつも以上の結果を出したいと思う。バルセロナのことはよく知ってるよ。僕だけじゃなく、すべてのF1ドライバーにとってそうだと思う。たくさんテストをしてきた場所だからね。だから、FP1から決勝までずっと限界を攻めることになる。Q:では、アストンマーティンとしての今週末の見通しは? イモラとモナコで導入したアップグレードを含め、前向きな要素に焦点を当てるとどんな成果がありましたか?アロンソ:バルセロナで新しいパッケージの実力がもっと見えてくると思う。イモラでは確実に前進できたけど、予選でミディアムタイヤを使ったことで助けられた面もある。モナコは特別な場所で、土曜日がすごく重要になる。そこでいいラップが出せたのは良かったね。バルセロナはもっと“普通の週末”になるから、パフォーマンスの位置付けがより明確になるはず。あと、今週は新しいフロントウイング規則があるから、他のチームも何かしら持ち込んでくると思うし、それがどう影響するか見てみたい。Q:モナコではエイドリアン・ニューウェイと現場で一緒に仕事をしましたね。期待通りでしたか?アロンソ:素晴らしかったよ。彼はピットレーンやグリッドで静止した状態のマシンを見るだけでも、多くのことに気づけるし、ガレージでも「こうした方がいい」という視点を与えてくれる。ミーティングルームでの彼の存在も特別だね。威圧感があるというより、チーム全体の集中力や細部への意識が高くなる。話す人たちも、適当なことは言えないという空気になる。それがすごく良かった。来年もっと多くのレースに来てくれるなら、僕らはさらに多くのことを学べると思う。Q:ありがとう、フェルナンド。では次にジョージ、メルセデスにとっては厳しい2戦が続いていますが、モナコ後のデブリーフィングではどんな学びがありましたか?ジョージ・ラッセル:結局のところ、土曜日の時点で週末は終わっていた感じだね。モナコは予選のレースだから。2ストップ導入で何か変化があると期待されてたけど、実際はそうでもなかった。試してみたこと自体は良かったと思うけど、結果としてはあまり変わらなかった。僕たちは週末の途中で迷走してたけど、Q1で以前のセットアップに戻したら、すぐに感触が戻って、トップ4に入れた。だから本当に残念だったよ。Q:ここスペインで、クリーンな週末を過ごすことの重要性は?ラッセル:うん、イモラとモナコで2戦連続で厳しい展開だったから、普通の状態に戻したい。イモラまではずっとトップ5圏内にいたしね。フェルナンドも言ってたけど、フロントウイングの変更で学び直しが必要になる部分もある。ただ、順位の大きな入れ替わりはないと思う。Q:昨年はこのサーキットで3位と4位を獲得しています。今年も再現できそうですか?ラッセル:再現できない理由はないと思ってる。イモラまでは毎回トップ5だったし、モナコでは僕らの力だけではどうにもならない部分があった。ただし、暑いレースでのレースペースはマクラーレンに劣ってるんだ。今週末は50度を超えるような路面温度が続く予報だから、そこが不安要素。でも、今回は最も硬いコンパウンドが使われるから、イモラやジェッダで使われたソフトタイヤとは条件が違う。その変化には期待している。Q:ありがとう。では裕毅、次はあなたです。モナコでは悔しいレースになりましたが、もっと大きな視点で見て、レッドブル加入から6戦が経った今、マシンにはどれくらい慣れてきましたか?角田裕毅:はい、今も少しずつ自信を築いていってるところです。マシンの理解については、だいぶ進んできたと思います。ただ、あと数コンマ数秒の部分ですね。特に路面の変化を自然に感じられるようになるには、もう少し慣れが必要ですし、セッティングを変えたときにどういうバランスになるかっていうのも、まだ完全には読み切れていません。新しいマシンなので、そこが難しいところですね。やっぱり経験がモノを言う部分だと思っていて、VCARB時代はマシンの挙動がほぼ完全に分かっていたので、考えなくても自然に反応できていた部分がありました。イモラのときに、あらためて「どれだけマシンを理解しているか」というのを再確認できました。正直なところ、そのあたりの重要性を少し見誤っていた部分もあったかもしれません。でも、自信を失ったわけではないですし、これからもっと慣れていけると思っています。Q:今回のバルセロナに向けてチームの期待感は? フェルスタッペンはこのサーキットで4連勝中ですし、低速サーキットよりも競争力を発揮できそうですか?角田裕毅:正直、モナコも予選までは結構良かったと思っています。赤旗などがあって、予定通りにはいかなかったんですけど、改善の余地があるラップもあったと思いますし。予選は僕にとってかなり難しかったですけど、FP2やFP3までは結構良い位置で戦えてましたし、今までで一番良いペースだったんじゃないかなとも思います。だから、いい方向に来てるなって感じています。バルセロナについては…レッドブルがここで勝ってる印象って、実はそんなに持ってなかったんですけど、4連勝してるって聞けてよかったです。でも、マックスのことは意識しすぎずに、自分自身のことに集中していきたいと思っています。記者からの質問Q:フェル...
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