F1シンガポールGPの公式中継をめぐり、ファンの間で放送ディレクターへの批判が殺到している。レース中にドライバーの家族や恋人の映像を繰り返し映す一方で、中団の激しいバトルやオーバーテイクをことごとく見逃したとして、SNS上では「家族ショーか」「走りを見せろ」と非難の声が相次いだ。とくにフェルナンド・アロンソとカルロス・サインツのオーバーテイクシーンが生放送で映らなかったことが火種となり、ファンの怒りは頂点に。海外のF1アカウント @cytrusf1 も「家族を3回も映しておきながら、中団のレースを無視した」と痛烈...
中団争いを無視 「アロンソもサインツも映されなかった」シンガポールGPでは、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソとウィリアムズのカルロス・サインツが、下位グリッドから見事にポイント圏へと浮上した。しかし放送ではそのほとんどのオーバーテイクシーンが流されず、ファンの不満は爆発。「サインツが18番手から10位に上がる過程も、アロンソがハミルトンを猛追する場面も、ほぼ映っていない」と怒りの声が続出した。海外のF1アカウント @cytrusf1 はこう投稿している。「シンガポールの放送ディレクターは、レース中にドライバーの彼女や家族を3回も映していた。その一方で、中団グループのバトルは何度も無視された。サインツとアロンソはポイント圏まで上がっていったのに、そのほとんどのオーバーテイクが生放送で映されなかったんだ。では、その見逃されたシーンを見てみよう」この投稿には多くのファンが同意し、「同感。F1公式放送は肝心なシーンを逃してばかり」「中継の優先順位が間違っている」と批判が殺到した。ファンの不満「2026年には改善を」レース後、SNS上では世界中のファンが怒りをあらわにした。「アロンソの走りがほとんど映らなかったのは悲しい」「2026年には改善されると信じたい」といった声に加え、「他カテゴリと違ってF1はアクションが少ないのに、後方のバトルを流さないのは言い訳できない」との意見も。さらにスペイン語放送でも「3周遅れてアロンソのオーバーテイクに気づくほど酷い」と指摘され、「結局いちばん良い映像はTwitterで見る羽目になる。ドメニカリはスプリント云々より、まず放送改善を」との声も上がった。「アロンソだけでなく、コラピントやサインツの好走も全く映されなかった」とのコメントも相次ぎ、F1の放送体制そのものへの信頼が揺らいでいる。アロンソ本人もSNSでF1公式を“直撃”皮肉こうした批判が拡大する中、当のフェルナンド・アロンソ本人も黙ってはいなかった。F1公式アカウントが、終盤のハミルトンとの攻防ではなく、アロンソの「怒りの無線」だけをSNSに投稿していたことを受け、彼はX(旧Twitter)でタイミングを見計らったかのように痛烈な皮肉を投稿した。「プライベート無線放送のポールポジションは確保できたようだから、次は本編の中継を微調整して、トラック上の興奮をもっとファンに届けよう!バモス!」この投稿は瞬く間に拡散され、「皮肉が完璧すぎる」「正論すぎて笑う」と称賛の声が広がった。遊び心と真実を絶妙に織り交ぜたアロンソらしい一撃で、ドライバー自身が放送体制の問題を突いた格好だ。「走りを見せろ」ファンの声は止まらずF1の放送演出に対しては近年も度々批判が上がっており、「演出優先でレースの本質が伝わらない」「中団バトルが軽視されている」といった声は少なくない。今回のシンガポールGPでは、特に“彼女・家族映像”が3回も放送されたことが象徴的に取り上げられ、ファンの不満が一気に噴出した。「もういい加減、ピットウォールや家族席よりも、コース上の戦いを映してほしい」「オーバーテイクの瞬間を逃す中継なら、意味がない」──こうした声が、X上では今も拡散され続けている。アロンソ「いいレースだった。残りもポイントを重ねたい」一方、アロンソはレース後に冷静に振り返った。「いいレースだったし、クルマもよく走ってくれた。ここは体力的にもハードだけど楽しい。ミディアムを履く判断も正しかったし、ピットの遅れを取り戻すことができた。残りのレースでもポイントを積み重ねたい」とコメント。アストンマーティンは今季初めて、チームメイトのランス・ストロールをポイントで上回った。44歳のベテランは、ウィンクと笑みを添えながら、カメラが映していなくてもファンの心を再び掴んだ。