佐藤琢磨は、インディカー第4戦サンパウロの決勝レースで、トップを走行するパフォーマンスをみせたが、作戦がうまく機能せず8位でレースを終えた。日曜日の決勝は、強い雨によりレースを行うには危険過ぎるコンディションであると判断され、月曜日に延期。迎えた月曜日も天候は曇りで、スタート直後に雨が降り出したが、ウエットタイヤ装着で走れる状態が保たれ、レースは走行時間のトータルが2時間を迎えた51周でゴールとなった。
予選10番手から、日曜日の14周で3番手までポジションを上げた佐藤琢磨は、月曜日にレースが再開されると、その5周目にライアン・ブリスコーをパスして2位へと浮上。26周目のリスタートではウィル・パワーをアウト側から豪快にパスし、インディカーで初めてトップに躍り出た。その後はパワーを突き放し、23周に渡ってトップを走行。しかし、34周目からのフルコースコーションでKV Racing Technology-Lotusはピットに入らない作戦を選んだ。レース中にフルコースコーションが一度でも出されれば、給油なしで走りきれるとの読みからだった。しかし、佐藤琢磨とチームの思惑に反し、フルコースコーションが出されることはなく、レースがグリーンで進む中で給油したために8位まで順位を下げてゴールした。佐藤琢磨 (8位)「ギリギリまで燃料セーブをして走っていましたが、3周分ぐらい足りなかった。非常に悔しい結果になりました。トップを走っていたのだから、作戦でギャンブルをする必要はまったくなかったと思います。クルーたちがすばらしい仕事をしてくれ、マシンは今日のコンディションに見事に合っていました。インディカーをウエットコンディションで走らせるのは昨日が初めてでしたが、何のリスクも負わずにすべてをコントロールできていました。トップに立ってからはすぐさま燃料をセーブする走りに切り替え、後ろとのギャップを見ながらレースをコントロールできていたと思います。それだけに最終的な結果は非常に残念です。しかし、僕らは今日、勝てる力があることを証明しました。反省点をしっかりと見直し、次からのレースにつなげたいと思います」