ダニエル・リカルドは、2024年F1シンガポールGPの決勝を18位でフィニッシュ。今回がF1ラストレースとなることをほぼ認めているリカルドは、最後にファステストラップを刻んだ。Q1で敗退し、16番グリッドからスタートしたダニエル・リカルドはソフトタイヤでのスタートを選択。しかし、コンパウンドの利点を生かせず、ポジションを上げることができず、第2スティントでは最後尾に転落。
すると、RBはラスト2周でリカルドに新品のソフトタイヤを履かせてファステストラップを獲得にいく。その時点ではランド・ノリスがファステストラップを記録したが、リカルドは1分34秒486をマーク。ノリスが1ポイントのボーナスポイントを獲得する機会を奪い、姉妹チームのレッドブルでノリスのタイトル追撃をかわそうとしているマックス・フェルスタッペンを援護した。ファンは、ダニエル・リカルドを“ドライバー・オブ・ザ・デイ”に選出した。「厳しいレースだった」とダニエル・リカルドはコメント。「昨日の予選で後方からのスタートとなってしまい、今日は戦略的に戦わなくてはならなかった。ソフトタイヤでスタートし、機会を探りながら積極的に攻めて走った」「オーバーテイクが難しいレースで、大きく順位を上げるドライバーはあまりいなかった。僕たちは総じて速さが足りず、(角田)裕毅もポイントを逃してしまった」「終盤にファステストラップを狙えるチャンスがあって、それをものにできてよかった。そして、ファン投票によってドライバー・オブ・ザ・デイを獲得できたことをとても光栄に思う」「いろいろな感情が渦巻いた」 - ダニエル・リカルドレースを終えたリカルドは、しばらくマシンから降りなかった。「厳しいレースだった」とリカルドは語った。「Q1で敗退した時はいつでも、長い一日になる可能性があると分かっていた。戦略で何かを試さなければならなかったが、セーフティカーがいるこの場所では、それが有利に働くかもしれない。もちろん、今日はセーフティカーがなかったので、そうだね、明らか僕たち々の戦略は少し崩れてしまったけど、結局は僕たちが十分に速くなかっただけだと思う」「最後には、僕たちは本当にどのポジションにもいなかったので、ファステストラップを狙おうとしたんだ。それが、アブダビまでにマックスを助けたかもしれない。彼が1ポイント差で勝てば、クリスマスプレゼントがもらえるかもしれないね!」シンガポールグランプリに向けての準備段階では、2024年の残り6戦で、RBでリカルドがリアム・ローソンに交代する可能性があるという噂が飛び交っていた。これにより、8度のグランプリ優勝者のキャリアが終わる可能性もあった。そしてレース後のスピーチで、リカルドは今週末が彼にとってF1の道の終わりになるかもしれないと、これまでで最も明確に示唆した。リカルドは、ファステストラップの試みについて、「もしかしたら最速ラップを狙う最後のチャンスだったのかもしれない」と語った。シンガポールが最後のグランプリになるかもしれないということを意味するのかと問われると、リカルドはこう答えた。「その可能性はある。それは認めざるを得ない。レースごとに状況が変わってきたし、もちろん週末がもっとうまくいってほしかった。でもそうはならなかったので、これが最後かもしれないという覚悟をしなければならない」「まあ、納得はしているよ」とマクラーレンから放出された後、2023年半ばにRBでF1に復帰したリカルドは付け加えた。「いつかは、僕たち全員にその時が来るだろう…僕はレッドブルに戻ろうとしたけど、うまくいかなかったから、『さて、僕はここで他に何をして、何を達成しようとしているんだろう?』とも思わないといけない…おとぎ話のような結末にはならなかったかもしれないけど、これまでのことを振り返る必要もある。14年かそこらだけど、誇りに思っているよ」「勝利の喜びを味わった後は、10位争いに長くは耐えられないと思う。あの感覚に勝るものはない。それがもう不可能で、少し難しくなっているとしたら、それが真実だ。今年はおそらく最高の瞬間を何度か経験できたけど、毎週それを続けるのは難しくなった。それは35歳になったからかもしれないし、競争がどんどん強くなっているからかもしれない。誰にもわからない」一方、ドライバー・オブ・ザ・デイに選ばれた後、リカルドはパルクフェルメでRBのコックピットからゆっくりと降りている姿が目撃され、62周の過酷なレースを終えて車との最後のひと時を満喫している様子だった。心の中で何が起こっていたのかと聞かれると、感情的になったリカルドはこう答えた。「いろいろな感情が渦巻いた。というのも、そうなる(最後のレース)かもしれないかもしれないことは分かっているし、レース後の疲労も原因だったと思う。だから、さまざまな感情や気持ち、疲労が洪水のように押し寄せてきたんだ」「コックピットは長年慣れ親しんできたものなんだ」とグランプリ257回出場のベテランは涙ながらに付け加えた。「ただその瞬間を味わいたかっただけさ」
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