レッドブル・レーシングは、もしホンダがF1から撤退した場合、エンジンサプライヤーを見つけるのに苦労することになるかもしれない。レッドブルとルノーのパートナーシップは2010年から2013年にタイトル4連覇という成功を収めたが、2014年にF1がパワーユニット時代に突入して以降、その関係は悪化。
レッドブルは2015年シーズン限りでルノーとの契約を打ち切ることを決定したが、エンジンを供給するメーカーは現れず、ルノーのエンジンに“タグホイヤー”のバッチをつけて搭載することで決着。ルノーは形式的には批判の影響を弱めたが、レッドブルが勝った場合にも正式なクレジットが表示されないという奇妙な状況となっていた。その後もレッドブルとルノーはメディアを通してお互いの批判を繰り返し、2018年末を持ってパートナーシップを終了。レッドブルは2019年からホンダとのワークスパートナーシップをスタートさせた。一方、2016年からワークスチームとして参戦しているルノーF1は、2018年からマクラーレンにF1エンジンを供給していたが、その契約も今シーズン限りで終了し、マクラーレンはメルセデスは鞍替え。ルノーのF1エンジンはアルピーヌに名前を変える1チームのみが搭載することになる。ルノーは、F1での新しいコラボレーションにはオープンだが、シリル・アビテブールはカスタマーチームではなく、パートナーチームでなければ付加価値はないと考えている。「カスタマーも何ももたらさない。パートナーであれば、いくらか価値をもたらすことができる。特にスポーツの目的やビジネスの目的を達成するために役立つ価値だ」とシリル・アビテブールはコメント。「いずれにしろ、財政的な取引は規制されるため、主に競技と技術的な観点からその機会に目を向けることになるだろう」だが、現時点でエンジンサプライヤーの切り替えを検討しているチームはいないように思われ、ルノーに多くの選択肢はない。ホンダがF1プロジェクトを終了することを決定した場合、レッドブルとアルファタウリはルノーと組みことを余儀なくされるかもしれない。ホンダはまだ2021年までしかF1にコミットしていない。だが、シリル・アビテブールは「強力なパートナーシップの機会があれば、我々はそうするだろう。だが、レッドブルとの可能性があるかどうかは疑問だ」とコメント。「レッドブルはホンダとのワークスチームだ。まず最初にホンダがF1における彼らのコミットメント、彼らの戦略を決める必要があると思う」「我々はレッドブルと組んでいた。しかし、それはうまくいかなかった」