ルノーF1チームのマネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールは、ルノーのF1エンジンの馬力はフェラーリとメルセデスと比較して最大で53馬力の差があったと見積もっている。2014年にF1がターボハイブリッド時代に突入して以降、ルノーのパワー面でメルセデスとフェラーリに対抗することができておらず、今年はついに後から参入してきたホンダにも馬力面で抜かれた報じられている。
カスタマーチームのレッドブル・レーシングは、頻繁にルノーのF1パワーユニットのパワー不足を批判しており、2019年からホンダに切り替えることを決断した。シリル・アビテブールは、2018年シーズンにフェラーリとメルセデスのエンジンと比較したルノーのF1パワーユニットの性能差は、予選でおよそ50馬力、レースでも20~27馬力あったと推測。しかし、冬の間にその差を埋められない理由はないとシリル・アビテブルールは主張。2019年シーズンは、エンジンのパワー面で2強メーカーに肩を並べられることを期待していると語った。「我々はレース中にエンジンパワーで15~20kW(20~27馬力)ほど不足していた。レッドブルのシャシーであれば、特定の状況下ではそれを補うことができた。だが、予選ではその差が40kW(53馬力)はあったと見積もっている。それはかなり大きなものだ」とシリル・アビテブールは Auto Motor und Sport に語った。「もし、我々がメルセデスもしくはフェラーリのカスタマーエンジンを使ってれば、アブダビGPの予選で我々は7番手になれただろう。これは、我々がミッドフィールドのライバルよりも良いシャシーを持っているという表れではあるが、同時にトップ3チームほど良くないということでもある」「だからこそ、我々の第一の焦点はエンジン開発に置かれている。来年は、予選でパワーがなさ過ぎたとこれ以上口にしなくてもいいようにしたい。我々が冬の間にメルセデスとフェラーリとのギャップを縮められない理由はない。シャシーに関してはもう少し時間がかかるだろう」ルノーのワークスチームは2018年のコンストラクターズ選手権を4位で終えたが、3位のレッドブル・レーシングとは297ポイントの差があった。シリル・アビテブールは今後の12カ月でルノーF1チームがトップ3に挑戦できるようになるとは考えていないが、ギャップを縮めることはできると考えている。 「今ここで来年の目標を設定するのは難しい。スポーツというのは常に他者のパフォーマンスに左右される部分があるからね。だが、我々のように曲線が上向きであれば、その傾向が続くことを望むものだ」 「ワールドチャンピオンシップのポジションにおいてそうすることはできないかもしれないが、トップとのギャップを減らしたいとは思っている」シリル・アビテブールは、3強チームと差がついている理由としてルノーの予算を挙げ、メルセデスが費やしている予算よりもルノーは“60%少ない”ことを認める。「だが、予算キャップが導入されれば、このハンディキャップは力になる。トップチームが費やしている額は受け入れがないものだ。我々はそれらのチームから自らを守る必要がある」来年、ホンダのF1パワーユニットを搭載するレッドブル・レーシングについてシリル・アビテブールは次のように語る。「レッドブルとホンダに何が起こるか見てみよう」とシリル・アビテブールはコメント。「レッドブルはホンダが我々と比較していかに優れているかを決して言い飽きることはないみたいだね。だが、トロロッソは我々の後ろにいるのは言ってもいいことかな?」