ルノーは、同社のエンジンを使っているF1ドライバーの何人かが2014年シーズン終盤に規定のエンジン数を使い果たしてしまう可能性があることを認めた。ルノーのF1エンジン責任者ロブ・ホワイトは、シーズン序盤のパワーと信頼性の問題からまだ回復途中であると述べた。「最初のテストでは走行距離が足りなかった。危機状態にあった」とロブ・ホワイトはコメント。
「しかし、パニックにはならなかった。差を縮める計画を立てた。それ以降、我々は進歩しているが、残念ながらまだ十分ではない。危機を終わらせるためにそのような努力は代償を伴った」「それぞれのチームに対し、パワーユニット内の部品を予定よりも多く使った。つまり各チームごとに開発サイクルが違うのだ」2014年のレギュレーションでは、年間で1人のドライバーに使用が認められているエンジン数は5基までと定められている。「一部チームに関して、認められる5基を守るのは難しいかもしれない」ミハエル・シュミット記者は、最も目立っているのはチャンピオンのレッドブルの苦戦であるが、実際に最もひどい影響を受けたルノーチームは、ロータス、次いでケータハムだと述べた。しかし、現在の問題にもかかわらず、ルノーは差を縮め続けることに自信を持っており、メルセデスが持つ馬力によるアドバンテージさえ、それほど遠い目標ではないとロブ・ホワイトは主張する。「エンジンコンセプトからして、我々が最高になれないわけがない」メルセデスエンジンは、タービンとエアコンプレッサーの両方を「パワーユニット」の後方に配置する独自のスタイルを取り入れており、そのV6ターボエンジンの概念と基本的なレイアウトにおいてほかのライバルメーカーたちを大きく出し抜いていると言われている。ロブ・ホワイトは「その方法を検討しなかったわけではないが、それで勝てるとは思っていない」と主張。ルノーのF1責任者ジャン・ミシェル・ジャリニエも「我々は窮地に追い込まれたが、我々は敵わないと大きく驚かされるようなものはなかった」と同意している。ロブ・ホワイトは、ルノーの2014年の問題は「我々が目標に到達するのが遅れたのは、我々がリスクを過小評価していたのか、あるいは、我々には予定通りに問題を解決できる能力があると自分たちを過大評価していたかだ」と述べた。