ヘルムート・マルコは2025年末でレッドブルのシニアアドバイザーを退いたが、その後もチームとの関係は続いている。現在のレッドブル体制は、必要に応じて彼と連絡を取り、助言を受けているという。20年以上にわたり若手育成プログラムを率いてきたマルコの影響力は、役職を離れた現在もなおチーム内部に色濃く残っている。ローラン・メキースは、彼の存在を「レガシー」と表現し、その継続性を強調した。
メキースが語る“今も続く助言体制”メキースはポッドキャスト『Beyond the Grid』で、マルコとの現在の関係について次のように明かした。「ヘルムートは今も我々に対して非常にオープンで、いつでも連絡が取れる状態にある。私もそうだし、チームの他のメンバーも彼と話をしている。サーキットに姿を見せることはなくても、助言は今も受けている」「彼が20年かけて築き上げてきた若手プログラムの歴史を、簡単に終わらせることはできない。我々は今、そのレガシーの上に立っている。必要なときには、彼が陰から支えてくれている」マルコはレッドブル・レーシングの内部組織ではなく、親会社レッドブルGmbHの経営陣に直接報告する立場にあり、ドライバープログラム全体を統括していた。その体制のもとで、数多くのF1ドライバーが育成されてきた。育成プログラムの中核としての功績マルコが率いたプログラムは、マックス・フェルスタッペン、セバスチャン・ベッテル、ダニエル・リカルド、カルロス・サインツといったドライバーをF1へと送り出してきた。厳格な評価基準で知られる一方で、ドライバーに強い影響を与える存在でもあり、フェルスタッペンは2018年の時点で彼を「レースにおける第二の父」と表現している。また、マルコが退任を伝えた際には、フェルスタッペンとの間で「非常に感情的な電話」が交わされたとも報じられている。フェルスタッペン「今も連絡を取り合っている」フェルスタッペンは2026年シーズン開幕戦の場で、マルコ不在のチームについて問われ、現在も関係が続いていることを明かした。「ヘルムートのオーストリア的なジョークが少し減ったかもしれないけど、今でも連絡は取っている。クルマの細かい話というより、どちらかと言えば人生について話すことが多い」「彼とはこれまで本当に多くの時間を共有してきたから、ガレージの雰囲気は少し違って感じる。でも前を向かなければならないし、パフォーマンスに集中する必要がある」ハジャーとリンドブラッドも語る影響力2026年にレッドブルへ昇格したアイザック・ハジャーは、デビュー戦のフォーメーションラップでクラッシュを喫した際、マルコから「恥ずかしい」と評されたことで議論を呼んだ。しかしその後、ハジャーは評価を高めてフェルスタッペンのチームメイトに抜擢されている。中国でマルコについて問われた際には、笑みを浮かべながら次のように語った。「彼が満足することはない。あの基準の高さは変わらない」また、同じくプログラム出身のアービッド・リンドブラッドも、マルコの影響について詳細に語っている。「彼には求める基準がある。他の人の経験は分からないけど、僕はずっと良い関係を築いてきたし、彼は僕のキャリアを大きく助けてくれた」「他の人が信じてくれなかったときに、彼は僕を信じてくれた。そのことにとても感謝している。このチャンスは彼なしでは得られなかった」2026年シーズン開幕後も連絡は続いており、オーストラリアGP後に会話したことも明かしている。「ヘルムートとは特別な関係にある。彼が僕を13歳のときにプログラムに入れてくれたし、今年この機会を得られたのも彼のおかげだ。だからパドックに彼がいないのは寂しい」表舞台を離れても続く存在感マルコは現在もオーストリアおよびドイツのメディアを通じてF1に関する見解を発信し続けている。正式な役職からは退いたものの、レッドブルにおける影響力と存在感は依然として大きく、チームにとって欠かせない“外部の助言者”として機能し続けている。