レッドブルとメルセデスは、シーズン第18戦となる今週末のF1シンガポールGPに向けて、マシンにいくつかのアップデートを投入した。マックス・フェルスタッペンがマクラーレンへのプレッシャーを維持し続けるための鍵となるのが、マリーナ・ベイ・ストリート・サーキット向けに改良されたRB21だ。
レッドブル、開発プッシュを継続前戦アゼルバイジャンGPでは、リアの局所的なダウンフォース向上を狙ったインボードウイングアセンブリーを再設計して投入したレッドブル。今回のシンガポールでも、さらなる変更をRB21に加えてきた。ここ数年、レッドブルにとって苦戦の傾向が続いているこのサーキット――フェルスタッペンが唯一まだ勝利を挙げていないトラック――において、今週末はRB21に2つの小規模な変更が加えられている。フロント側では、いくつかのセクションにおいてキャンバー(反り角)を増加させるよう進化。これにより、空力安定性を維持しながら局所的なダウンフォースを高め、性能向上を図る狙いがある。一方リア側では、エンジンカバーの上部開口部が拡大され、冷却効率の向上が図られた。これはF1カレンダーでも最も高温なイベントのひとつであるシンガポールGPに向けた対応だ。FIAへの技術申告書によると、今回の仕様は従来の冷却ルーバーよりも効果的であるとされている。メルセデスもシンガポール仕様の改良を実施メルセデスもレッドブル同様、開発を継続しており、今回のシンガポールではフロントウイングフラップを再設計。局所的な空力負荷を低減することで、この特有のコースに適したバランスを得る狙いがある。アップデートを投入したのは上位2チームのみ今週末に明確なアップデートを持ち込んだのはレッドブルとメルセデスのみで、残る8チームはこれまでのレースと同仕様のマシンを投入している。2025年シーズンも残り7戦となり(シンガポールを含む)、2026年の新レギュレーション導入を前に、現行マシンへのアップデートによるリターンはごくわずかとなっている。そのため、各チームのリソースはすでにほぼ完全に来季マシンの開発へと振り向けられている状況だ。
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