レッドブルF1の最高技術責任者であるエイドリアン・ニューウェイは、2023年にコストキャップ違反によって課せられた空力テスト時間が短縮は、チームが正しくアプローチすれば「大きな違いはない」と自信を見せる。コンストラクターズチャンピオンを獲得したレッドブル・レーシングは、元々、2023年の空力開発の割り当ては全体の70%と最も少ない時間となる予定だったが、コストキャップ違反によってこれはさらに短縮された。
FIA(国際自動車連盟)は、コストキャップ違反に対する700万ドルの罰金に加え、レッドブル・レーシングの風洞および計算流体力学(CFD)テストに割り当てられた時間と使用量をさらに10%短縮するペナルティを科せた。したがって、レッドブル・レーソイングは、ベースラインの空力テスト割り当ての70%から63%しか許可されず、2022年のランキング2位のフェラーリの75%よりもはるかに少ない。レッドブルF1のテクニカルディレクターを務めるピエール・ワシェは、チームに科されたコストキャップペナルティの影響は、他チームが考えているよりも大きいと主張していた。だが、エイドリアン・ニューウェイは、チームはペナルティを乗り越えることができると考えている。「風洞試験の削減は、異なるコンポーネントや異なるアイデアをより少なく時間でしか評価できないことを意味する」とレッドブル・レーシングが公開したビデオでエイドリアン・ニューウェイは述べた。「だが、我々が本当に賢く、モデルに常に正しいものを入れれば、大きな違いはない」レッドブルが新しいパーツをCFDモデリングから風洞モデル、そして、実際のレースカーに取り込める速度と、それらが生み出す利益をどれだけ正確にシミュレートできるかは、チームがテスト割り当ての減少という不利な点にどのように対処するかにとって非常に重要となる。ライバルチームは、レッドブルの迅速かつ反応的な開発速度を彼らの強みとして指摘している。F1が提供するベースラインの数値は、320回の走行で400時間の風洞実験であり、1日2回以下の走行が行われる。レッドブルの2023年の制限は、時速54キロ以上で稼働するトンネルで50.4時間であり、その開発時間は202回未満の走行で完了する必要がある。風洞は時速18キロ以上で1日2回しか使用できず、そのたびに走行割り当ての1つと見なされる。CFDの使用量はメガアロケーションユニット時間(MAUh)で測定され、ベースラインは2000個の異なる3次元パーツのテストが6MAUhとなる。完全なF1カーは1つのパーツと見なすことができるが、その設計を変更すると、新しいパーツとなる(F1のレギュレーションでは制限空力試験ジオメトリと呼ばれる)。ペナルティの後、レッドブルは3.78MAUhのCFD時間で1,260個のパーツに制限される。2010年以来、レッドブルを5つのコンストラクタータイトルに導いてきたエイドリアン・ニューウェイは、2022年のライバルが2023年により厳しい競争を繰り広げるだろうと予測している。「フェラーリが休むことはないだろう」とエイドリアン・ニューウェイは言った。「彼らは自分たちの弱点を整理するだろう。彼らにはいくつかの信頼性の問題があり、明らかにピットウォールでいくつかのミスを犯した。だから彼らはすぐに戻ってくると思う」「もちろん、メルセデスがペースからかなり離れたマシンからスタートして、最後のレースで優勝するまでに進化させたのを目にした。だから、我々は彼らがすぐそこにいることを知っている。だから来年は間違いなく厳しい年になるだろう」