レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、2021年のF1プレシーズンテストの状況だけを見て、メルセデスを過小評価するのは“愚かな行為”だと語る。メルセデスF1は、2014年にF1がパワーユニット時代に突入して以来、ドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを7連覇。すべてのタイトルを獲得してきた。
通常通り、F1プレシーズンテストに基づいてチームを判断するのは最善のアプローチとは言えないが、バーレーンで行われた2021年のF1プレシーズンテストでメルセデスF1は苦戦しているように見えた。初日から信頼性問題に見舞われたメルセデスF1の2021年F1マシン『W12』は、オンザレールに見えて2020年のW11と比較して運転しにくいように写り、ルイス・ハミルトンもW12のリアに苦戦してスピンを喫した。一方、レッドブル・ホンダF1は、マックス・フェルスタッペンが3日間の総合最速タイムを記録。ホンダの新型F1エンジンもパフォーマンスと信頼性ともに向上しているように見え、近年スロースタート傾向にあったレッドブル・レーシングにとっては稀に見る好調なスタートとなった。しかし、クリスチャン・ホーナーは、ダブルタイトルを7連覇しているメルセデスF1を軽視するのは“愚かな行為”だとしてチャンピオンチームの警戒を緩めない。「シーズンは長い。23戦は大規模なシーズンだ」とクリスチャン・ホーナーは Sky Sports F1 のシーズンプレビューでコメント。「だが、我々にとっては良いスタートを切ることが非常に重要だ。メルセデスのテストはおそらく彼らの基準では少しまとまりがなかったかもしれないが、彼らは彼らは質の高いチームだ」「彼らと彼らの挽回能力を過小評価するのは愚かなことだ。数年前、我々は彼らがバルセロナで成績が悪かったように見えた後、オーストラリアで非常に快適に勝ったのを見ている」2021年のF1世界選手権は、記録的な23戦だけでなく、2022年に導入される新世代のF1マシンにリソースを切り替える時期を賢明に選択する必要があるため、F1チームにとって非常に忙しいシーズンになる。そして、その作業は、今シーズンの1億4500万ドルに設定された予算上限の下で行う必要がある。これは、メルセデスとレッドブルが享受していた予算の半分未満となる。そして、レッドブルは、2021年シーズン限りでF1から撤退するホンダのF1パワーユニットを引き継ぐための準備も並行して進める必要がある。「リソースのバランスを取るのは常に困難であり、メルセデスは大きくて質の高いチームだ」とクリスチャン・ホーナーは説明する。「しかし、今年の予算上限と2022年の新しいレギュレーションという追加の課題がある。もちろん、ここでは独自のパワーユニット部門も構築しているため、かなり忙しい」「しかし、誰もがここで非常にやる気があり、レースシーズンを楽しみにしている。今年はまともなマシンを持っているように見えるが、我々は過去に開発できるクオリティがあることを証明しており、今年も良い仕事に集中する必要がある」「バーレーンでのレースに、かなりの走行距離、マシンに合理的なフィーリングを持って行くのは良いことだ。そして、今、すべての焦点は問題を解決することよりもマシンを速くすることにある」