レッドブル・ホンダF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、メルセデスのDAS(デュアル・アクシス・ステアリング)について弁護士とともに調査を行っていると明かした。メルセデスのDASは、新型コロナウイルス、フェラーリとFIAの“秘密の和解”によって存在が薄れていたが、レッドブル・ホンダF1としては依然として優先度の高いテーマとなっている。
F1バルセロナテストで、メルセデスがDASシステムを使用して、ステアリングを押し引きすることでフロントタイヤのトー角を調整していることが発覚した際にはF1パドックは騒然となった。DASシステムの利点は、コーナーでアンダーステアを抑え、ストレートでは空力的な利点があり、タイヤの過熱をよりうまく制御できると想定されている。FIA(国際自動車連盟)は、DASシステムはサスペンションではなくW11のステアリングメカニズムにリンクされているため、アクティブサスペンションには該当せず、合法であると裁定した。それにもかかわらず、レッドブル・ホンダF1はシステムの合法性を決して確信していない。「我々の弁護士はまだシステムの合法性を調査している」とヘルムート・マルコはAuto Motor und Sportに語った。だが、メルセデスはDASシステムを実際にどのレースで使用するかについては明らかにしていない。そのため、レッドブル・ホンダF1が正式にFIAに異議を申し立てるのはレース週末で使用されたタイミングとなる。「我々にとって、システムはルールに準拠していない」とヘルムート・マルコは F1-insider.com に語った。「メルセデスがメルボルンでシステムを使用した場合に抗議する」すでにレッドブル・ホンダF1は、メルセデスW11のリアブレーキのダクトの合法性をFIAに指摘。メルセデスは、ブレーキとホイールリムを冷却するために追加の換気チャンネルを備えた新しいブレーキシステムを採用。タイヤマネジメントが有利になると考えられていたが、チャンネルは許可されたエリアの外にあった。FIAは技術指令を発行したことで違法性を認め、メルセデスとレーシング・ポイントは土壇場でブレーキダクトの修正を余儀なくされている。また、ルノーは、レーシング・ポイントF1チームのRP20の合法性に関して正式に異議申し立てを検討していると報じられている。RP20は昨年タイトルを獲得したメルセデスW10に酷似していることから“ピンク・メルセデス”と呼ばれている。開幕戦オーストラリアGPに先立って、すでに各チームの駆け引きは始まっている。
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