レッドブル・レーシングが、2019年以降にホンダのF1パワーユニットを搭載する可能性はまだ五分五分だとスペインの Marca が報じている。F1アゼルバイジャンGPの週末、バクーのパドックでレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコと本田技研工業のモータースポーツ部長を務める山本雅史が2019年以降のエンジン契約について正式に交渉を開始した。
レッドブル・レーシングは、F1スペインGPの2日後までである5月15日までに2019年からホンダのF1パワーユニットに切り替えるのか、もしくはルノーを使い続けるのかの決断を迫られることになる。今年、ホンダはレッドブル・レーシングの姉妹チームであるトロロッソにF1パワーユニットを供給しているが、パフォーマンスにはかなりムラがある。第2戦バーレーンGPでは4位入賞を果たしたものの、それ以外は下位グループに属している。ホンダは、マクラーレンとの3年間のパートナーシップでパドックの評価を落としており、マクラーレンとの愛憎関係はまだ続いている。レッドブル・レーシングは、過去にルノーとダブルタイトルを4連覇してきたが、成功に対するルノーの重要性についてしばしば感謝に欠ける対応を行ってきた。レッドブル・レーシングは、レースに勝った場合にシャシー、ドライバー、戦略、メカニックを称えるものの、タグホイヤーとアストンマーティンがスポンサードするエンジンに関して話題はあまり登場してこない。すでに両社の関係は冷え切っている。ルノー・スポーツF1のマネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールは、レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーとヘルムート・マルコに少なくとも広告効果のシェアを望んでおり、中国での勝利はルノーのF1エンジンでのものであることを忘れないようと強調。レッドブルの勝利を祝福せず、ヘルムート・マルコを怒らせた。逆にレッドブル・レーシングは、ダニエル・リカルドのターボが故障した際にスペアエンジンを用意していないかったルノーを批判。「我々はエンジンを迅速に交換する経験があるので、素早くそれを実施するのは普通のことだ」と述べ、火に油を注いだ。レッドブル・レーシングのスタッフの間ではまだ意見が分かれているものの、第2戦バーレーンGPでは、トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーが4位入賞を果たしたことで、ホンダのエンジンに切り替える見通しが強まったとされている。エンジニアのなかには、2014年以降ルノーとわずか6勝しか挙げられていないことを不満に思っており、ホンダに切り替えることでギャップを埋められると考えているものもいるようだ。スペインの Marca は、実際、ミルトンキーンズで行われた分析では、ホンダのF1エンジンに切り替えることへの不安を払拭される結果が出ているという。また、エンジニアの意見も重要ではあるが、経済的な節約も大きな役割を果たすことになる。レッドブル・レーシングがホンダとワークス契約を結べば、現在ルノーに支払っているエンジン代金は節約できることになる。いずれにせよ、レッドブル・レーシングがホンダとルノーのどちらを選択するかはまだ五分五分の状態だと同紙は伝えている。また、レッドブルとルノーの間にはカルロス・サインツというドライバーの問題もある。レッドブルはダニエル・リカルドとの契約が今シーズン限りとなっており、現状ではルノーを継続した場合はフェラリ、もしくはメルセデスに移籍する可能性が高いとみられている。その場合はカルロス・サインツがレッドブルに復帰するのは既定路線だ。ルノーはカルロス・サインツを保持することを望んでいるが、レッドブル・レーシングがホンダとの契約を決断し、ダニエル・リカルドが残留を決意した場合、ルノーとレッドブルの関係は完全に切れることになる。同紙はその隙をついてマクラーレンがカルロス・サインツの獲得を狙っているとスペイン紙らしい推測を展開している。
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