ポルシェのLMPチームは、バーレーンにおける最終戦で2つの表彰台を飾り、FIA世界耐久選手権(WEC)に別れを告げた。2週間前に世界チャンピオンの座についたアール・バンバー/ティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー組は、トラブルに見舞われながら、2017年シーズンの最終戦を2位でゴールした。今年のル・マン覇者たちは、序盤からトラブルに見舞われて後退しながらも、見事に巻き返した。
ポールポジションからスタートしたニール・ジャニ/アンドレ・ロッテラー/ニック・タンディ組も、衝突とペナルティで後退を余儀なくされたが、ロッテラーがファステストラップを打ち立てて3位でゴールした。このナイトレースはトヨタが優勝を飾った。フォルクスワーゲン・グループCEOのマティアス・ミューラーがグリーンフラッグを振ってスタートしたこのレースによって、ポルシェのモータースポーツの歴史において最も成功を収めた1章が幕を閉じた。2015年から今日まで、ポルシェLMPチームはル・マン3連覇に加え、マニュファクチャラーズ選手権の3連覇を飾り、ポルシェ919ハイブリッドのドライバーはドライバーズ選手権タイトルを3回獲得した。919ハイブリッドは、2014年のデビュー以来、34戦中17勝を挙げ、そのうち7回は1-2フィニッシュだった。さらに20回のポールポジション、13回のファステストラップを達成した。オリバー・ブルーメ (ポルシェAG社長)「これまでル・マンを3連覇したポルシェ チームはありませんでしたが、このチームはそれを達成しました。チームに感謝し、チーム全員を誇りに思います。彼らは、大変な努力、一貫性、そして適切なアプローチによって偉業を成し遂げました。これは、ポルシェブランドが約70年にわたって築いてきた精神を象徴しています。フリッツ・エンツィンガーとアンドレアス・ザイドルのチームは新しい挑戦に取り組み、2019年末から6シーズン目となるフォーミュラEに参戦します」ミヒャエル・シュタイナー (ポルシェAG研究開発担当役員)「ポルシェ919ハイブリッドの最後のレースエントリーで一つの時代が終わります。私達は、ポルシェの歴史において、発明力、経験、および勇気が成功を収める高度に複雑なレーシングカーを造り出すことを繰り返し証明してきました。919は、4年間に可能なほぼ全てを達成し、ハイブリッドの卓越したパワーを実証しました。効率的なエンジンとパワフルなエレクトリックドライブは919ハイブリッドによって新たな水準に達しました。そして、私達のロードスポーツカーも並行して同じ道を進みます」1号車のレース運びティモ・ベルンハルトによる4回のル・マンのスタートと同様に、スターティングドライバーのニール・ジャニは、1周目と、5周目終盤のセーフティカー後のリスタートでトヨタの前に立つが、19周目にトヨタ8号車、20周目トヨタ7号車に首位を奪われる。30周後に、3番手のジャニは給油する。トヨタ7号車のドライバーチェンジとタイヤ交換によって2番手に浮上するものの、48周で新品のタイヤを装着したトヨタ7号車に抜かれる。3番手のジャニは61周の後にニック・タンディと交代。タンディは92周で給油し、フルサービスのためにピットインしたトヨタ7号車をかわす。2番手のまま、124周で再度給油し、タイヤ交換をせずに首位に立つ。しかしわずか6周後に、周回遅れの車両との衝突で左フロントタイヤをパンクし、ピットに戻る。フロントエンドを交換して、131周でアンドレ・ロッテラーに交代し、161周の後、タンディの衝突によるストップ・アンド・ゴー・ペナルティを受けて、162周で給油とタイヤ交換。193周の終盤に、1周の差をつけられたロッテラーが猛烈にダッシュする中、トヨタが199周でチェッカーフラッグを受けた。2号車のレース運びティモ・ベルンハルトは、3番手のスタートから2番手に上がるが、3周目に落下したコース内のボラードに乗り上げて、ボラードが車の下部に挟まる。しかし、セーフティカーの導入時にはそのことに気づかず、7周目終盤にベルンハルトがピットインしてボラードを取り除く。ノーズを交換して給油し、ほぼ1周遅れとなる。37周後に、4番手でブレンドン・ハートレーに交代し、68周で給油した後も4番手を守る。96周終盤のフルコース・イエロー中に、タイヤを交換してアール・バンバーに交代、トヨタ7号車が衝突した部分の修理をしたためバンバーが3番手に浮上した。177周で最後の給油を行い、3番手を維持したまま、150周でベルンハルトがコクピットに戻った。177周で最後の給油を行い、2013年にポルシェ919ハイブリッドの最初のテストシャシーのステアリングを握った彼が、最終スティントを走り、トップから1周遅れの2位でゴールした。フリッツ・エンツィンガー (LMP1担当副社長)「今日で成功の一時代の幕が閉じました。皆さんに感謝します。最初に、プロジェクトを私に任せ、大きなサポートと励ましを与えてくれた取締役会に感謝します。個人的には、2014年のサンパウロの初優勝で自信を得ることができました。最高のパフォーマンスを示してあらゆるチャンスを掴んでくれたドライバーの皆さんありがとうございます。最終的に34戦中17勝を獲得し、このプロジェクトのために過酷な作業と喜びを分かち合ってくれたチームの全員に感謝します。レースで優勝を求める皆の強い眼差しは私にとって最高の歓びでした。チーム監督のアンドレアス・ザイドルにもお礼を申し上げます。過去2年間、アンドレアスは監督とテクニカルディレクターとして見事に2つの役割を果たし、彼の指示で開発した最初の919が世界選手権のタイトルを獲得しました。そして最後に、ポルシェのような会社が存在することは素晴らしいことです。ポルシェとともに過ごした6年間を一言でいうとしたら、『夢を生きることができました』。プロジェクトと舵取りをする上での大きな自由をありがとうございました」アンドレアス・ザイドル (チーム監督)「過去4シーズンにわたって、大きなライバルとなったトヨタの優勝におめでとうの言葉を述べます。こことヴァイザッハにいるチーム全体、ドライバー、感動的な4年間のパートナーに感謝します。今回が919ハイブリッドにとっての最終戦となりました。この技術の粋を結集させたレーシングカーによって達成することができた成功を誇りに思います。来年は、これらのイノベーションションを特別イベントで祝いますが、詳細はこれからの発表になります」ニール・ジャニ (919ハイブリッド1号車 ドライバー)「スタートは順調で、序盤はトヨタとほぼ互角のペースでした...
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