ポルシェが、レッドブル・レーシングを買収し、F1に新たなエンジンレギュレーションが導入される2021年からワークスチームとしてF1に参戦すると報じられている。ポルシェは、今年7月に今シーズン限りでFIA 世界耐久選手権のLMP1クラスから撤退し、2019年よりフォーミュラEに参戦することを発表。その一方で、2021年のF1エンジン規約を検討する会議に代表団を派遣している。
ポルシェの財務・IT担当役員でもあるルッツ・メシュケは、2021年に改訂されるF1レギュレーションにもとでエンジンサプライヤーとしてF1に復帰することを本格的に検討していることを認めており、F1イタリアGPが開催されたモンツァ・サーキットを訪れ、ロス・ブラウンを含めたF1上層部と会談を行っている。ルッツ・メシュケは、技術的な要素を低下させたツインターボV6に移行するという2021年以降のF1エンジンレギュレーションの動きについて「我々はF1のコストを削減しなければならない。そして、それはその目標に到達するための良い方法だ」とコメント。ポルシェは、すでに開発中の“高効率エンジン”がF1プロジェクトのベースになる可能性を否定していない。一方、2005年にF1に参戦したレッドブルは、F1で4度のダブルタイトルを獲得。過去10年間のF1プログラムによるマーケティング目標を達成し、もはや姉妹チームのトロ・ロッソと合わせて2つのF1チームの運営に莫大なコストをかける必要性をもはや感じてないかもしれない。ポルシェがチームを買収してワークス化した場合でも、レッドブルはチームのスポンサーとして現状ほどのコストをかけずにマーケティング活動を継続することは可能となる。噂によると、ポルシェワークスとなっても、拠点は現在を同じミルトンキーンズとなり、クリスチャン・ホーナーが引き続きチーム代表を務め、テクニカルチームもエイドリアン・ニューウェイが率いることになるという。すなわち、チームはオーナーシップが変更になるだけで、ポルシェという自動車ブランドからワークスエンジンを得るだけであり、ミルトン・キーンズとヴァイサッハとの関係は、ルノーにおけるエンストンとヴィリーと同じような関係になるという。レッドブルは、ルノーからパワーユニット供給を受けているが、ワークスルノーは5か年計画でチャンピオンシップに返り咲くことを目指しており、いずれ限界が訪れることになるかもしれない。姉妹チームであるトロ・ロッソは、2018年からホンダのF1パワーユニット供給を受けることになるとされている。現状では、トロ・ロッソでのホンダのパフォーマンスを評価した後、親チームであるレッドブルもホンダに切り替えることを検討しているとされている。だが、パドックでは、トロ・ロッソが2018年にホンダと組むという決断は、レッドブルがホンダにトロ・ロッソを売却することを考えている可能性があるからだともされている。ポルシェによる買収が実現し、レッドブルがスポンサーとしてF1活動をしていくと決定した場合、レッドブルとトロ・ロッソは完全に異なる道を歩むことになるかもしれない。関連:トロ・ロッソ、ホンダのF1パワーユニットを搭載するメリットは!?
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